劇場がすすり泣きの音で包まれる中鑑賞。
原作漫画を読んだはずなのに、映画版を観てまた喰らいまくった。
しばらく何も手につかない。
自分にとって大切な作品であることを改めて感じた。出会えてよかった。
レビューに散見される絵柄の雑さも、これはこれで、というかこれだからこそ良かったように思える。
昨今のきれいすぎるタッチの作画に比べたら手抜きと感じられてしまうかもしれないけど、タツキ先生の人間臭い絵柄を再現するためにも、
人の粗さや不安定さの表現としても、綺麗すぎない線が正解だと思う。
ひとつ残念だったのは、Haruka Nakamuraさんが音楽を担当しているのに彼の良さがあまり活きていなかったこと。
制作スタッフによる調整指示が少なからずあったことが感じ取れてしまった。
エンドロールの曲以外、「劇場用の音楽」に収まってしまった感がある。
言葉では表せない、名のない感情をピアノ一つで語ることのできる天才のはずなのに。
期待していたが、芸術点が満点を超える瞬間は見られなかった。
ただ、傑作であることには違いない。