面白くなかった。
この映画を構成する要素が、ほとんど一方的な『メッセージ』だったことが原因なのではなかろうか。
フェイクニュースや噂って怖いね、メディアって怖いね、あなたも加担してない?楽しんでない?
それしか伝わらなかった。
似たようなテーマの映画なんて巷に大量に存在するわけで、それぞれ独自の映像表現や音楽使いなどを駆使して「メッセージ」を芸術作品の一部として落とし込み、前面に出さずに昇華してきたものが、やはり映画=エンタメとして魅力があると思う。
さらにテーマに対して、物語を盛り上げる要素(いらないかもしれないけど)として別の意見をもつ存在が現れたり、一方的なメッセージにならないよう視点をあえて増やすこともしていないわけで。
見る方向や考え方によって別の解釈もできるよ、といった複雑性のあるアート作品とはなっていない。
最初から最後までこの映画が言いたいことはただ一つ。
音楽もカメラ的な演出もなく淡々と見せていく手法が、エンタメ要素として機能していないため、まるで教習所で見る注意喚起のビデオのようでもある。
不満点はもうひとつ。
物語上で「イケメン」や「めっちゃかわいい」とされている人物なのに、ちゃんとイケメンや可愛い子を起用しないのはどういうことやねん!説得力ないぞ!
ってこと。
ラストシーン数秒、これだけは独特で好き。