(注意:未視聴の方向けに感想を書きましたが、一番最後に若干のネタバレがあります。)
人が何かに向かって努力を重ねる姿は、なぜこんなにも美しいのだろうか。
端的に言うと、この映画のとどのつまりは、絵を描く事に向き合い続ける様を映し出した作品に感じた。
絵を描いてきた人、もしくは絵を描く以外の事で今まで何かに向かって必死に努力してきた人には強くお勧めしたい作品である。
そういった努力をしてこなかった自分にも響くものがあったのだから、より一層響くものがあると思う。
ここから先は自分自身にしか当てはまらない、本当に個人的な批判になるので興味が無い方は読み飛ばして頂いて構わない。
私が見た藤本タツキ先生の作品は「チェンソーマン」、「さよなら絵梨」、そしてこの「ルックバック」である。
全体を通して思ったことは、この先生の作品は自分の肌に合わない。
面白い話を考えるなぁ、とは思うし、絵も凄くお上手だと思う。
ただどうしても読み手を楽しませる物語を描いている様に感じなく、読み手の事など顧みず芸術性が高い作品を描いている様に思えてしまうのだ。
作品の良し悪しではなく、本当に好みの部分だと思う。
本筋とは関係が無いが、劇中、藤野の部屋にバタフライ・エフェクトのポスターが貼ってある場面が一瞬映り、懐かしいなと思ったが、まさか伏線だとは思わなかった。