佐藤備忘録

ルックバックの佐藤備忘録のネタバレレビュー・内容・結末

ルックバック(2024年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

いや漫画でさんざん読んだしこんなあからさまな流行りモノでいちいち心動きませんて、と思いながら観に行ったけど普通に泣いた。

四コマ漫画描きて〜

開幕のグルグル画面酔いしそうな始まり方がもうすでに最高。めちゃくちゃ物語に吸い込まれた。

音も音楽も良かったなぁ。ペンの音とか気持ちええわぁ。風の音もすごかった。

ストーリーはもう言わずもがな。何読んだらこんなに綺麗で面白い話作れるんだろう。

最初の世界線にはもう京本が生きてないって事実が本当に本当に苦しい。振り返れば藤野の頭の中には存在するんだろうけど、現実世界で藤野の隣には京本がもう存在しえないって考えると本当に嫌だ。悲しい。

たしか藤本タツキ『さよなら絵梨』のおちゃらけたセリフで「(物語には)ファンタジーをひとつまみ」的なやつがあった気がするが、読んでた当時『ルックバック』のこと思い出したね。救いようのない現実に異なる世界線を挟み込むっていうファンタジーが個人的な観客目線では救い。藤野目線ではどうだか、正直なんとも言えない。そりゃ何もないよりかは救いだろうけど。

別に創作者でもなんでもない趣味で漫画描くド素人だけど、この作品自体と藤野京本にめちゃくちゃ嫉妬してしまう。こんなおもろい話考えれるのズルい。あんなに絵を描く努力できて才能もあるのズルい。ズルいズルいズルい。実際上映中もたびたび発狂しそうになった。映画館の暗闇で身悶える異常者になりかけてた。原作初めて読んだ時なんかは嫉妬やらなんやらで苦しくて読み終わるまでに10回以上スマホぶん投げたし。俺みたいな奴が無敵の被害妄想野郎になるんだろうな。茶化すわけではない。真剣にそう悩む。

理想の子供時代なんだよねぇ。俺もあんなに一途に努力できたらなぁ。漫画描く友達がいればなぁ。小中学生の時にこの作品と出会いたかったなぁ。
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