さかな

ルックバックのさかなのネタバレレビュー・内容・結末

ルックバック(2024年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

「劇場で見られてよかったなぁ」と思う作品。

「4年生でわたしより絵の上手い子がいるなんて」が絵を辞めるきっかけじゃなくて、絵を頑張るきっかけになったのすごく素敵だなーって思ったし、
6年生になってもかなわなくて、一生懸命やったことが報われなくて、否定されたような気持ちになって、「やーめた」って言いたくなっちゃう気持ちが少しわかって、苦しかった。

頑張らせるために大人は「今まで見てきた中で一番上手」とかって言うんだよね、本当に上手って思ってるのも事実だけど、大袈裟に言うんだよね、見つけた才能のかけらみたいなのを潰さないように、ひとつでも多くの選択肢を持って、伸びていけるように。
藤野は褒められてそれをちゃんと受け取れる性格だったからこそ、京本と出会えて漫画の道にも進めたのかな。すごく素直で、すごく素敵。

「どうして4コマ辞めたの?」って言われて「あんたのせいだよ!!!!」って返さないの、「賞に応募するため」って言えるの、本人としてはプライドとかあるのだろうけど、すっごいまっすぐで、まぶしかった。やっぱり絵が好きなんだね。
好きなものってずっと"好き"なんだよね。「絵が好き」という共通点を持つふたりが敵じゃなくて味方でいられたの、すごいグッときてしまった。いや、共通点ってだけじゃないんだよね、お互いへの尊敬があったのがわかって、だからこその出会いだったんだろうなぁ。

卒業証書を渡しに行った時ふたりが会えたからあんなにたくさんの経験ができたし、藤野にとって京本がそれだけ大切な相手になってたんだなって。
「あのとき、わたしが漫画描かなければ、描いても何も残らないのに」って言ってたけど、やらなければよかったことなんて無いよ。描かなかったらあなたが斧で刺されてたよ、でも、そうやって思わないとやってられないのもわかるよ。ちゃんと大切だったんだよね。人生っていつ何が起きるか本当にわからないね。

とか見終わった直後にあれこれ書き残してみるけど、結局、あれだけのめり込めるものと大切な人に出会えた、藤野と京本がとっても素敵で羨ましくて、「もう少しがんはろう」って勇気もらった。"好き"を追いかけることに、自分自身に素直でありたい。
さかな

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