・ジャンル
心霊ホラー/オカルト/ドラマ/サスペンス
・あらすじ
閏年の1966年2月に完成した文華大学の大忍館
そこは生者と死者が出会う場所に建設されたと言われている
建築家が風水師の忠告を無視し縁起が良いとされる“八卦”の逆に敢えて作り上げられたその建物は現在でも超常現象による事故が絶えないという…
そんな曰く付きの場所を自身の製作するゲームの舞台に設定した大学生カイも犠牲者の内の1人だった
そして2019年、昏睡状態に陥ったままの彼の意思を注いだ妹のティンは学友達と共にゲームを完成させようとしていた
そのゲームはカイの事故を含む3つの怪談を疑似体験するAR形式の物である
公式な発表を控えテストプレイを大忍館で行うティン達
やがてゲーム上の怪異は現実にも及び始め、カイの魂が今も尚その場に取り残されている事が発覚する
兄を救う為、彼の残した“血のランプ”を持ち彼女は似た背景を持つ警備員ディと共に再び大忍館へと向かうのだが…
・感想
「女鬼橋 開魂路」としてゲーム化もした台湾ホラー作品の続編
その影響か今作は映画でありながらゲーム開発が発端となっているだけでなく前作以上にゲーム性の高い世界観となっている
前作はうる覚えではあるものの心霊描写が安っぽくゲーム性のあるルールに関してもストーリーを分かりづらくしていた印象
それに対して今作は全体をよりゲーム的にした事が功を奏し内容がかなり分かりやすくなっていて予想以上に映画として面白かった
それが世界観、設定、ルール、映像表現、霊のビジュアルと全てにおいて徹底されていたのが特に好印象
中でも“無限のサイクル”という設定の活かし方や大ボスにあたる悪霊化した建築家シュウェン・イェンのビジュアルなどが顕著で好き
少ないながらJホラー的な心霊描写(背後にうっすらと見える霊など)があった点も評価出来る
オチも前作との繋がりが上手く活かされていたと思う
ただホラーとしては逆にそのゲーム性の高さ故にジメッとした怖さが薄れてしまっているのでそこが好みの分かれる所かな?と
どうしてもジャンプスケアに頼りがちになっていたので…
とはいえアメリカのホラー映画よりは遥かに面白く感じた
後味の悪いラストなどはまさにそうでアジアンホラーらしい厭さが光る
尺もそう長くないし「屍憶」の様な台湾ホラーが好きなら結構ハマるんじゃないかと
「きさらぎ駅」の様なFPSホラーが好きな人にもオススメ