Schiele1918

エイリアン:ロムルスのSchiele1918のネタバレレビュー・内容・結末

エイリアン:ロムルス(2024年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

フェイスハガーくんたちの可愛らしさときたら…手乗りハガーを飼育したくなること請け合い。
全編にわたって特撮らしさを見せつけてくるこだわりの映像は初代以来の作り手の存在を感じる良さ。ただその分新鮮さよりも復古的な視点になってしまう。

ストーリーはじっくりと描く分緊迫感が終始高く、連続して音とカット切り替えのショック演出が頻出し終盤は笑えてしまうくらい盛り盛り。
エイリアン初期シリーズを突っ込んでまとめるのは意欲的だと思うがもう少し緩急はあったほうが真面目に鑑賞できたのではないか…。

アンドロイドのキャラクターが傑出して良い。これも複数の過去作から編集されて作ったような部分で構成されてるが、それが展開を動かしメッセージ性を補強して作品の背骨になっている。
目的のための危険、そのための道具として生まれたものは誰か?エイリアンか、アンドロイドか、消費される人間か、自由を求める逃亡奴隷か?

危険な兵器として作られたゼノモーフ、奴隷労働で利益を上げる植民産業、生命の変質を求める知性の業、犠牲献身の感情的な行動でリスクを負う不条理な人間感情、生命の創造であり死に近づく生殖と出産のグロテスクと恐怖。
改めてエイリアンというシリーズの最初から意図された豊富なクリエイティビティと退廃的な想像力には感嘆してしまう、再確認を促す作品。
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