Schiele1918さんの映画レビュー・感想・評価

Schiele1918

Schiele1918

アポカリプト(2006年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

壮絶な肉弾チェイスアクション、残酷さと踊り瀑布と緑と泥濘をかき分け躍動する生命の逃走劇。
広大な退廃の祭祀ピラミッドの情景や死屍累々の敷き詰められた人間的悪夢の映像美、密林の智慧と剥き出しの生存闘争、
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エイリアン:ロムルス(2024年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

フェイスハガーくんたちの可愛らしさときたら…手乗りハガーを飼育したくなること請け合い。
全編にわたって特撮らしさを見せつけてくるこだわりの映像は初代以来の作り手の存在を感じる良さ。ただその分新鮮さより
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ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

4.2

タランティーノ流アメリカ戯画。
こびりつく血がドロッとしていて匂い立つ。
世界中のどんな憎しみ合いも、共通の敵がいたらきっと仲良くできるだろう。
哄笑と脳漿に塗れた希望のメッセージ。

アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家(2023年製作の映画)

4.5

世界がただあるままに明け渡してくれる無垢と虚無との同化を拒絶し、それが失われる苦しみを埋めることなく創出し続ける人。
痕跡を集め、喪失を再現し、羞恥にまみれた煤だらけの歴史と地続きの過去を顕在化するこ
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ルックバック(2024年製作の映画)

4.0

大なり小なり理不尽には自ずから何かを生み出し続けることしか対処法がない。
喜びとともに傷も増えていく自転車操業が人間の本質だから世界の解釈装置としての自分自身を動かし続けよう。

バティモン5 望まれざる者(2023年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

冒頭の柩を担ぎ降りていくシーンから最後に直上から映し出されるまで、群像劇が繰り広げられる場としてのバティモン5が何か魅力的に感じられた。
自分が団地生まれだからなのか?劣悪で危険だけど、そこは決して奪
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

一定面白い、がスルッと過ぎていってしまう。ただ原作からの大きな改変になったチュニの最後の離脱と砂漠への帰還は、原作にある運命と予言に嵌まり込み迷い込む続編への繋がりを絶たれている。
続くなら新しい物語
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.7

様々な触媒によって増幅された仮りそめのイメージを欲望することで人は新しい地点にたどり着くが、それがどれほど現実に近いのか、現実がイメージしたものとどのように関わるかは、そのものが現実なった後でもわから>>続きを読む

医学生 ガザへ行く(2022年製作の映画)

4.5

もはや過去の姿となり、見ることは叶わない街と人々

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.8

面白かった。
「食物で自分の内面を変える」という原初的な人間の食を通じた呪術行為、「暴力と報酬で内面が変わる」というテストステロンによる愛と暴力の促進。
美味しいお肉をもう食えない人たちが可哀想。
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

映画館で見たほうがいい。

トト・ザ・ヒーローにおける快哉、リアリティのダンスにおける錯綜、ブレードランナーの狂奔を見た。
それらから創作者の優しい手触りを削ぎ落とし、不安の中にゆっくりと沈んでいく、
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

婚姻、交接、生と死のサイクルが自然の中、人間の中に再現され、グロテスクな入れ替わりの祭りの中に再現されていく。
非常に楽しめる映画だけど、実際にこういった伝統を守り伝えていくには長い90年という二世代
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ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

なんでここまでして主演男優賞を取れないのか!と憤ってしまうくらいのレオ大先生の大怪演。
世の中にはドラッグでアガって死ぬほど調子に乗って無敵になって行くとこまで行く才能のあるやつがいるってことを実感さ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

非常に素直な作品。
映像造形美で塗り込められた近代社会を巡る旅。
外科医という出発点からもあからさまながら、ゴッド(ファルスを持たない宦官)や奇想に満ち閉ざされた楽園を出ていき、旅の終わりのその主人の
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千年女優(2001年製作の映画)

5.0

時を経て初めて劇場で見る。
永遠にして虚無の輝かしい瞬間が描き切り取られたアニメーションの瑞々しさが、取るに足らない一瞬の美に投入された傑作だと思う。
千年後も誰かが見てるといいな、などと果てない夢も
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トト・ザ・ヒーロー(1991年製作の映画)

4.4

なにか残って訴えかける。
空っぽの人生など無いし苦しみは誰もが抱えて年老いる代謝物で、救いは求めていく先にあってもなくてもいつか終りが来る。
それがエンディングになり気付けばカーテンコールを贈るのは自
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さがす(2022年製作の映画)

4.2

リアリズムと誇張された経験でうまいこと練り上げられている作品。
要介護者を身内に持った経験がある人は苦しい視聴体験をすることになると思う。
主演の親子二人が映画に集中させてくれる素晴らしい演技で、ラス
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

どの程度シリアスさと演出との間での整合性を取っていくかが難しいけど、場面場面でのミュージカル要素の深度や役割を細かく変えて描くというのを飲み込めたらとても楽しめると思う。
物語のありきたりさ、先の読め
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グッドフェローズ(1990年製作の映画)

4.1

“荒っぽい計画”に“その場の勢い”か、その逆かという暴力組織のありかたを魅力的にバカバカしく見せてくれる。名作だと思う。
ジミーの雑だけど仲間内ではキレるっていう位置が絶妙で、終盤の目と耳を疑うずさん
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.5

色んな物に触れる作品だけどもう少し深く掘り下げて欲しい要素が多い作品。
コメディと言っていいものか難しいバランスで視聴後は胸に嫌な感触が残る。

アイリッシュマン(2019年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

短くもくるくると回転し続いていくエピソードの中で、麻痺し分離していく人間の朽ち果てつつある内面がゆっくりと緊張を高めていく。
映画が頂点に達する瞬間、心が底冷えする。

最後の逡巡から、小さな戸口がゆ
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

殺人が手段として度々出てくる。
自分もだんだんと慣れていき、それぞれの理屈に合わせた行動を思考でなぞり始める。

最後の対話の場に引き出されるに至り、自分が裁かれるような気持ちになってしまっ
た。
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Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)

5.0

何度流れても最高の映画。
胸が本当にグゥっと苦しく痛切と快楽がある。
音楽のズケズケとしつつトゲと流麗さがある印象そのまま、若く艷やかで相手のない自家中毒の憎しみなんてまだ覚えていない、自分を嫌いにな
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

子供はそうそう、はたから見るととんでもなく危ないことやトンチキなことをしながら夢と現実の境を走り抜ける。
命の限りの振る舞いをするからこそ、学ぶし、成長できる。
それを後押しする大人たちの姿、とりわけ
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.0

隙のない良作。
展開ごとにジャンルが変わるというか、水木作品、時代の背景、ジャンル映画の色んな要素を継ぎ足しつつ、水木とゲゲ郎のバディものとして一貫性があり脚本がまとまっていて見ていて戸惑いがない。
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(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

面白かった。
男の嫉妬と離合集散するお館様軍団、その場の計画に振り回される下々の功名心。
合間に合戦とギャグシーンでお茶を濁していい感じに血も見える。首無し死体から始まり、首実検に終わる無惨で実のない
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

2.2

このレビューはネタバレを含みます

間抜けでありきたり、何番煎じかわからない物語。
あまりにもあんまりな、いつものといえばいつもの、山崎作品の感動させるための演出。なにか起きる→表情のリアクションを繰り返し、感動的な劇伴でいいこと(風)
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オオカミの家(2018年製作の映画)

4.1

常に漂う死の気配。
与えられ奪われ繰り返す彩りと痛みに揺さぶられる。
不意に現れる象徴やグロテスクな記号にも怖気が走る。
生きているように死滅に向かう力を堪能できる作品。

バービー(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

非常に笑える。
冒頭からシュールなギャグ、アイロニーに満ちていてピンク色と同じくらい皮肉な笑いが塗りたくられた映画。
バービーにもケンにも、嘲りと憐れみで涙が出るほど笑える。笑えるほどに、涙が溢れる。
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エレメント・オブ・クライム(1984年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

ずっと雨が降り続く中で腰まで水に浸かってるシーンが多い。
夢の中でずっと彷徨いながら女とうろつく汚らしい街というか地下っぽい穴ぐらの連続で、自分の隠していた罪の記憶を掘り起こされ続けるような映画だった
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

冒頭が白眉。
炎と無数の群衆と全てが溶け合って無限地獄のように蠢くシーン。
産み出された冥界より苦界と化した現実の怖ろしさに胸が湧いてしまった。

どう生きるかは選べるか?多分そう。
犠牲のもとに食い
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アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

田中泯の演じた平山造船局長の語り。
あれほどの壮絶で力の入った大和轟沈を見せられた後の戦艦大和依代論は正直なところ無惨に過ぎる。
また、史実では秘匿とされて誰の称賛も哀悼も受けず沈み、戦後にこそ帝国海
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ヴィデオドローム(1982年製作の映画)

4.0

ブラウン管テレビの持つ熱、膨らみ、空間が生物的にハレーションしていく映像は90年代前半までの世代なら実感を持って味わえると思う。
そして性と視覚の拡張と人間の意思への影響、リアリティを上書きするメディ
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.4

損しないから見て欲しい。
よく考えるなぁと感心する映画。
このジャンルで一番好きな映画になりました。