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めまいのtomひでのレビュー・感想・評価

めまい(1958年製作の映画)
3.0
NHKBS4Kで『めまい』が放送されたので4Kで久しぶりに観直してみた。『めまい』を観るのは3回目。ヒッチコック本人は失敗作と語っていたそうだが、その後の時代の評価は逆で彼の作品の中でも代表作の一本とされている。

個人的にはそこまで好きな作品ではないが、何かに憑かれた女性と接触して逆に憑かれていく主人公の不安定感、巻き込まれていく怖さ、高所恐怖症を表現する有名なヒッチコックショットや画面配色の演出、相変わらずの小道具の使い方の巧さなどヒッチコック独特の演出は見応え十分。

今作では特に色が意識されていて、主人公が拘っている彼女の髪の色、スーツの色は勿論だが、キムノヴァクのテーマ色とも言える緑を意識した画面作りは特に印象的。また同一シーンでロケショットとスタジオショットが普通に繋がれる違和感やこのシーンの背景全部合成か〜など今観ると別な発見があって角度の違う面白さもある(笑)

50本以上のヒッチコック作品、個人的に観たヒッチコック作品は32本(イギリス時代の初期作品は全く観ていない)だが、まだまだ観たいと思わせる大好きな映画監督。
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