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蒲団のmmmのレビュー・感想・評価

蒲団(2024年製作の映画)
4.0
明治時代の文豪・田山花袋の
私的小説「蒲団」に想起し
現代に置き換えられた作品

原作未読のうえでの感想です。

主人公は脚本家を生業とする
中年男・竹中
彼の作品に憧れているという
脚本家志望の女・横山が
弟子入りを懇願し、
それを致し方なく受け入れるが、
徐々に竹中が横山に惹かれていき
翻弄してしまうという話

コピーの表現を借りるならば
主人公の言動は紛ごうことなく
ハラスメントなのだろうが、
倫理観を端にやってみると
心は青年、身体は壮年
あぁ、この解離具合…
なんだか哀れにさえ思えて
しまうのでありました。

それは多分、紙一重なのだと
思うが、心を奪われてしまった
ピュアさと、脚本家として
ピークを過ぎたことを自覚するなか
目の前に現れた若い才能への
嫉妬のようなものを
感じてしまったからかもしれない。

竹中にどう映ったか分からないけど、
横山は徹頭徹尾、その気がないし
それがまた更に空振るのだろうなぁ。
(思わせ振りと感じるのは願望で
補正してるからだと思う)

それでもやっぱり、
下心おじさんキモい…と
感じてしまう人もいるだろうが、
竹中の切実さ、横山の僅かに滲む
魔性さ、同業者の妻のフラットさ
それぞれ絶妙な案配で演じる
役者さんがお見事でした。



◆ひとりごと
そんな絶妙なお話は、あくまで
映画のなかのお話ですよ!
あと、あくまで個人的に
竹中の描写とのバランスを考えると
後半の+15Rのシーンだけ
あそこまで露骨にしなくても
…という気持ちはある。
女の魔性さは全裸じゃなくても
表現できるとこになってほしいかなぁ。
表現そのものを避ける
ことはないけど、撮り方で
カバーできるのではないかと。
役者さんの負担より、そちらに
腕をふるってほしい。
mmm

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