ロードムービーを撮りたい映画監督
小島桐子の七転び八起き
この桐子という主人公、非常に歯切れが悪い
主演俳優にオファーを断られ
助監督も決めておらず
許可なしロケハンで車を壊し
打合せに遅刻するなど
プロデューサーに叱咤される毎日
そこに、プライベートのバタバタが加わり
完全に八方塞がりの状態
映画が撮りたい！
その熱意は確かなものなのであろうけど
映画は熱意だけでは作れない。
そんな映画作りのリアルな面も
交えつつの作品でした。
藝大の修了作品だそうで、
それがテアトルでかかるとは凄いなぁ。
正直、観ていると主人公のグズグズ具合に
イラっとしてしまう部分もあるのだけど、
どんな苦難があってもやっぱり映画が撮りたい
その気持ちが伝わってくるので見放せなくなってしまう。
最後の最後まで、やっぱり映画を
撮ることを諦めない姿は
長編初監督となる、この作品の監督さん自身と
どこか重なる気がしました。
時々、脈略のないエピソードが入り込むのと
爆音なだけの音楽は個人的には
しっくりこなかったけど、
「ランキング1位を目指すぞ！」
「興行〇〇目指すぞ！」という商業映画では
けして生まれない純度を感じました。
上映後の舞台挨拶で、監督のもとに役者や
スタッフが集まりひとつの作品をつくること。
これは仕事でもあるのかもしれないけど、
信頼関係が築かれているのだろうな
というのが伝わってきたので、話が聞けて良かった。
