シバザキ

化け猫あんずちゃんのシバザキのレビュー・感想・評価

化け猫あんずちゃん(2024年製作の映画)
4.0
 ほのぼのしてていいね。ロトスコープで撮影しているのでアニメーションでありながら会話のテンポ感や動きが実写邦画のそれになっていて唯一無二の質感を出しています。

 あんずちゃんをはじめ登場人物のほとんどがうっすらカスなのがいい。特にかりんちゃんのクソガキ感がよくて、あの周りに一切配慮せずに舌打ちする感じとか最高です。そういうカスばっかの中でもみんな妖怪だからといって差別したりはしないし、友達のために躊躇なく頑張る姿とかもしっかりと描いているのでそこに普通に感動してしまう。キャラデザもかわいいしね。

 本作の最大の見所と言っていいいロトスコープ撮影のアニメーションが独特の質感を出していて、その一挙手一投足を見てるだけでも楽しいのでこの映画はもう勝ちです。録音も現地で行っているので、それとアニメがリンクしているのはなんとも不思議な感じ。チャリ盗まれたり、飲み会であんまり盛り上がらない感じをアニメーションなのになんとも言われぬリアルさで持ってお出しされているのでそこはすごい面白かったです。
 ストーリーとしてはそんなにひねってあったりだとか内容が特出して面白いというわけではないんだけど、田舎の夏の日常を眺めているだけでなんかいいという感覚になる。

 夏にやってるなんかよくわからんアニメーション映画枠としての働きはキッチリこなしているいい映画だった。原作漫画を呼んでみたんですが、かりんちゃん1ミリも出ていなくて衝撃だった。というかあの原作を夏のアニメーション映画としてやろうと言い出したやつがすごい。原作のなんでもないエピソードの組み込み方も上手かったんだなと改めて思い知らされました。
 空中に汗かく描写は新鮮でした。
 
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