Yuya

蛇の道のYuyaのネタバレレビュー・内容・結末

蛇の道(2024年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

僕ホラーもスプラッタもサスペンスも大好きなんです。
黒沢清様の作品も幾つかは好きなものと普通なものとコレはねぇなってものと正直色々あるのですが、今作はとてもGOOD。
あと拷問がどうとかこうとか作品紹介で見てたのでグロみ強いのかな?と思っていたけど、今作にはなぜか無意識にあまりキツイシーン求めていなかったので、それがほぼないのも良い。久々に見たぞ!黒沢清ホラーを!って感覚。

そんなわけないやろみたいな展開を繰り広げつつ、本気の画面に滲んでくるシュールさが逆にコミカルに見える、おフランスの映画によくあるその気持ち悪さがとても良い。
メインビジュアルにもあるキレイめな一面雑草の中を寝袋で全力引きずり疾走するシーン大好きだよ。笑える

その、意味あるの?っていうオブジェクトの撮り方だとか、冷静にやっと辿り着いたわね、ってコレまで合わせて3回くらい言ったよね?というわざと反復させてるセリフだとか、会話の中での間の取り方、、、映っている全てに意味を探したくなってしまうような、なんと言うか"ひとり池の水抜いちゃいました"したくなるような。
濁った水面下に眠る沈澱物を掘り起こしたくなっちゃう気分になれる。最初の監禁の人の放水ア◎ルダンス(と名付けたいと思います。)でこの映画の方向性を垣間見た気がします。
そして何より、柴咲コウさんの一切ブレることのない無表情の中に秘められたラストスパートへの感情、凄かった。
バトロワの光子とはまた違う静かな殺し合いが始まるかと思った。
ある意味殺し合いではあるのだけど…それは見てのお楽しみ。
西島さんは…あれかな、特別出演的なキャスティングみもあるだろうけど、アルベールと似せた色味の服装してるから、個人的には行ってほしく無い展開の方向を想像させる、だいぶミスリードな立ち位置でした。

総合的に見てお金払って見る価値はアリ、と思います。
良質なおフランスのサスペンス映画を見た気持ちになれました。

※アツく語りすぎちゃったのでネタバレONにしますっ
Yuya

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