黒沢清のフランス版セルフリメイク
不条理サスペンスながら、アートが先立ってしまった感じもする一本
STORY
パリに住むアルベールは、日本人の心療内科医の小夜子と共にある計画を実行する。それは惨殺された娘の復讐を果たすため、犯人らしき人物を次々と拉致・拷問していくものだったが…
サスペンスとしての雰囲気はある。
どこに向かむうのかわからない不条理感、掴みどころのない会話も流石の黒沢清。冒頭こそフランスの街並みで始まるロケ地も、本編中はほぼ廃屋や病院はいつもの無機質感。柴咲コウのギロょっとした目つきが目立つのも意図的だろうし。
ただ作品としては割と薄い。よくも悪くも現代リメイク、しかもフランスのロケというのもあってか、スタイリッシュになり過ぎたのでは…とも思う。
Vシネ版未視聴なので細かいことはわからない。ただ、あらすじをざっくり見た感じ、大きくずれてはいないので、やはり時代的な空気感や作家の演出の変化があるのかもしれない