ドル3部作4K一挙上映3本目、さすがに3本ハシゴは無理で本作は翌日鑑賞。
あの一度聴いたら忘れないテーマ曲の「アァアァア~♪」がコヨーテの鳴き声だったとは『モリコーネ 映画が恋した音楽家』(2023)を観て初めて知りました。
そしてファーストカットからいきなり『ウエスタン(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト)』の冒頭三人組の刺客の一人でもあるアル・ムロックのどアップへ。
周知のとおり『夕陽のガンマン』とスタッフ・キャストは被ってますが話は繋がってません。
今回上映されたのはこれまで発売されたDVDの中でも最長の178分版で見応え充分。
『夕陽~』の主役はリー・ヴァン・クリーフでしたが、本作でも一番の主役はイーストウッドと言うよりはイーライ・ウォラック(『荒野の七人』『ゴッドファーザーPARTⅢ』)。
今回、舞台は南北戦争時までさかのぼって大掛かりな戦闘シーンもあり。
ですから銃も当時の軍仕様のパーカッション・リボルバーと小道具も細かい。
イーライ・ウォラックの銃砲店でのシーンは『ジョン・ウィック:パラベラム』で丸ごとオマージュされてましたね。
今回3本続けて観てみると、さすがに常連役者が何人もいるのがよくわかります。
『荒野の用心棒』の棺桶屋の爺さんは『夕陽のガンマン』では情報屋で本作では南軍の将校。
序盤でクリーフに襲われるメキシコ人一家の少年も『夕陽のガンマン』に出てました。
メキシコ人一家で思い出しましたが、この時のクリーフ登場シーンの曲をタランティーノが『イングロリアス・バスターズ』でドイツ軍将校“ランダ”登場シーンでまんま流用。
曲の流用は嫌いなのに押し切られたモリコーネの渋い顔が目に浮かびます。
他にも『夕陽~』で最後にイーストウッドにやられる敵は本作ではウォラックの兄の神父役。
同じく『夕陽~』の冒頭でクリーフに葬られたお尋ね者が“ショーティ”という別キャラで出ていると聞いて探してみると、イーストウッドがウォラックに吊るし首の縄を切るのを邪魔されてあえなく最期を遂げたお尋ね者、顔は一瞬映るだけなので誰だか判別はムリ。
しかし、もしもレオーネがドル3部作を撮らなかったら、マカロニ・ウェスタンもここまで名を残すことも、これほどの数が作られることも無かったかもしれません。
撮る度に格段にスケール・アップし、さらに厚みを増した後期3部作へと続き、レオーネはマカロニ・ウェスタンの監督の中でも別格の巨匠となります。
“世の中には二種類の人間がいる”ように、マカロニ・ウエスタンにも2種類あります。
それはレオーネの作品とそうでない作品。
レオーネ監督作以外にも面白いマカロニ作品はありますが数は限られます。
これでレオーネ作品の主要6作品のうち5本は劇場で鑑賞できたので、次は『夕陽のギャングたち』をぜひ劇場でやってください!