これも、ただタイトルに惹かれて。
コメディだけど、ナイフで傷付け合う様に痛々しくて、これが笑えるかどうかは人によるかも。
ブルックリンに住むバーナード(ジェフ・ダニエルズ)とジョーン(ローラ・リニー)は互いに作家同士。落ち目の夫と、成功を収める妻。やがて彼らは離婚を決意し、16歳の長男ウォルト(ジェシー・アイゼンバーグ)と12歳の次男にその事実を伝える。
この4人家族の相関関係を見事に表しているのが、序盤のテニスシーン。
ママ組vsパパ組だもんなぁ…。
長男ウォルトはパパの肩を持ち、次男フランクは完全にママの味方。
自尊心の塊で、他人を卑下してばかりの父親にジェフ・ダニエルズ。「スピード」の頃から好きな俳優。息子に平手打ちもかましちゃう勝気な妻に「トゥルーマン・ショー」のローラ・リニー。そしてジェシー・アイゼンバーグが若い!
離婚に直面した4人家族のリアルな日常を皮肉たっぷりに描く。
行き交う台詞の全てが痛い…。
ママの新恋人役にウィリアム・ボールドウィン。
パパの新恋人役にアナ・パキン。
アナ・パキンとジェフ・ダニエルズはかなり昔に「グース」で親子役だったのに、今回は歳の離れた恋人役。感慨深いなぁ。
離婚による次男坊の屈折の仕方が凄いっ!!
あんな事やこんな事まで!?
ぶっ飛び過ぎだけど、この映画を非凡な物に昇華させているのはもしかしたら彼かも。
劇中の鍵となる、Pink Floydの「Hey You」が切ない。
製作にウェス・アンダーソンが関わっていながら、彼らしさが何処にも感じられない程、とことん痛々しい。
4人でもっとうまくやれないかと夫が譲歩してもケタケタ笑い出す妻とか、やっぱりどのキャラクターも尖っている!
でも、タイトルの真意が明らかになるラストシーンとか、どうも嫌いになれないんだよなぁ。因みに2005年のアカデミー脚本賞ですって。