ぐろりあ

大きな家のぐろりあのレビュー・感想・評価

大きな家(2024年製作の映画)
5.0
すごいものを見た気がします
内容ではなく、この作品自体の圧倒的な説得力に打ちのめされました。
物語世界ではまるで歯が立たない…
たまたま気になって飛び込んでみました。

何よりこの作品観て頭に浮かんだのは
ひとりも可哀想な子供というものがいなかった気がしたことです。
ものすごく集中して観てました。

またこの作品のメッセージ(このFilmark上にもあるメッセージ)
映画の始まりとラストにもクレジットされますが登場する子供たちや職員へのSNS上の検索や諸々の誹謗中傷は控えて欲しいとのメッセージ…このSNSのお手軽な時代に
この作品を制作した方々の勇気には心から拍手します。

そりゃ配信や販売は出来ないでしょう。劇場でしか見れないはずです。
作品を見ればわかりますが一切の加工がない。だから子供たちと職員の生きる顔がはっきり手に取るように伝わる。
だから観客の勝手な自分の作り上げる想像力で『顔』を当てはめてしまう。
安易に可哀想とか言ってしまう
でも曝け出している子供たちの生きて行こうとする子供達は我々が考えるより遥かに冷静で、自分と大人と仲間を見て理解しようとしている。
いや、理解しようと一生懸命に努力している。
それは会えない親に対してさえ…。

個人的には迂闊に涙流さないように努めて観てました。
もう我々の同情や哀れみなんてまるで寄せ付けない逞しさ…圧倒されっぱなしでした。

ただまだ見ぬ外の世界への不安と恐怖は計り知れない…
でもその一歩には幸と幸運を祈るばかり…。
そんな中でもとても力強い未来が垣間見えるような姿を見せてくれました。

施設の子供たちが寄付によりネパールの孤児院での同じ歳の子との交流に行った時の様子での話が印象的に残ります。
みんな日本の子と同じように色々複雑なもの抱えているのに、仲間と正面から向き合っていて、エネルギッシュな眼をキラキラしている。日本の私たちは文句ばかり言って俯いて携帯ばかり見て顔を見ようとしていない…恥ずかしい…。
と言う言葉…
現地の子供達はある意味とても豊かでした…。

私も私の子供達も児童館っ子でした。
すごく…何だか色々感じました。

にしてもこの施設は立派なことに驚きました。まぁ場所によってはポロポロでしたから…😆

この作品がどう受け止められるかは人それぞれでしょうが…どうか静かに観に来てほしいと感じる作品でした。
それはメッセージどうり心からお願いしたい。そして見れる機会あれば、ひとりでも多くの方に見て頂きたいと単純に思います。はい
ぐろりあ

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