おそば屋さんのカツカレー丼

ラストエンペラー 劇場公開版 4Kレストアのおそば屋さんのカツカレー丼のレビュー・感想・評価

4.5
なぜだかベルナルド・ベルトルッチとリチャード・アッテンボローを混同していて、溥儀が紫禁城を追い出されて以降の、時代のうねりと呼応する重厚なドラマを観て、「さすがは『ガンジー』を撮った監督だ…」なんて考えていたら全然見当違いだったのも、そもそもベルトルッチ作品自体お初だったのこともびっくり。
そんなことはさておき、上記のとおり、中盤以降の重厚なドラマが本当に素晴らしいのだけれど、かといって序盤も紫禁城やそこに住まう人々の華やかな装いがとても目を惹くので、2時間30分を超える上映時間ながら変化していく魅力があり、飽きることがないし、全体を通して印象的なのは、モブシーンのクオリティの高さ。これも美術等、世界観の作り込み故なのだろうけれど、とにかくモブが自然に映画の中に溶け込んでいて、紫禁城や紅衛兵のシーンは、かなり見応えあるものになっている。これらに加えて、あまりに有名な坂本龍一の音楽(個人的にはエンドロールのテーマよりも、溥儀が紫禁城に連れていかれるシーンの音楽がたまらなく好きだ)もあるんだから、そりゃ良い映画なわけだよね。