このレビューはネタバレを含みます
無人島に流れ着いたロボットが動物たちとの交流を通して「心」を得るというテーマはともすればありがちなのだが、圧巻の自然描写とコミカルなようで実はかなりシビアな自然の摂理や「子育ての難しさ」を描き切ることでとてつもない説得力で迫りくる傑作。もちろん誇張はあるものの、「動物」ができることにはきちんとした限界があるし、それらを丁寧に描いてきたからこそ、彼らの野生の本能やロボットのプログラミングを重ね合わせつつ、そのプログラムからの逸脱こそが事態打開の解決策だと描く流れに(表だけ見ればただの理想論にも見えかねないのだが)説得力が生まれる。
また、圧倒的にリアリティを持った自然描写によって、そこにロボットがいる異物感と感情の機微が見事に浮かび上がる映像美がとてもよかった