しの田

赤い風車のしの田のレビュー・感想・評価

赤い風車(1952年製作の映画)
3.0
 はじめの20分、どんちゃん騒ぎでエネルギーに満ちたシーンが楽しくて、すごく印象的。マリーとの恋愛はもどかしくて切なく、ハラハラした…が、後半のミリアムとのストーリーはかなり端折った感じがする。
 貴族階級が上から庶民生活を愛でている感じのストーリーだと思った。分は弁えろよ、みたいな…もちろんそれは逆も同じでお坊ちゃんはスラムには行けない。勤勉に働いた者だけが望む世界へ行ける。これはこれであまりいいとも言えないと思うけど、しかしラストのやるせなさで結実した。ムーランルージュははじめっから幻想でしか無かった…
 ロートレックの伝記映画としてはちょっと物足りない気もする。この映画だけだとど童貞みたいなキャラクターに見える…しかし、スケッチや版画が画面に出てきて楽しかった。あと、途中マネの絵画オマージュがあった気がする。
しの田

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