赤い風車の作品情報・感想・評価・動画配信

「赤い風車」に投稿された感想・評価

Aoi

Aoiの感想・評価

4.1
精神異常があったり、マジで頭おかしい人って基本的に社会に受け入れられないけれど、絵画の世界はどんな変人も受け入れる包容力があって、というかむしろ、心に闇がある人の方が、人の心に何か訴えるものがあって。評価軸が、他の業界とズレているから、私は美術が好きなのかもしれないって思った。

この映画で描写されるロートレックの人生は、辛くて仕方なかった。もう少しで幸せになれそうなのに、少し立ち止まれば色んなところに幸せが落ちているのに、自尊心のあまりの低さから、自分を認めてあげれず、どんどん惨めになるロートレック。

でもこの極端にまで自分を卑下する性格だから、ムーランルージュの踊り子達を絵に描こうと思い、明るく振る舞うけれど、闇を抱えた彼女たちの表情を上手く描けるんだろうな。

客観的に見たら彼の人生惨めだけれど、没後100年経過しても、評価され、何か引き込まれる要素がある。そう思うと、彼の不幸な死も、不幸な恋愛も、不幸な人生も、無駄じゃなかったんだなぁと思ったりもする。
美術は面白い。
hosho

hoshoの感想・評価

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泣けた、、特にラスト。踊り子を描くということ。人を描くということ。そこに出現させるということ。
NOBU

NOBUの感想・評価

3.6
1952年の制作で70年近く前の映画でありながら色褪せることなく今観ても驚くほどの完成度に驚かされる。
画家アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの孤独で短い人生を描いた映画であるが、脚の障害が彼を孤独にさせ、叶わない恋と酒を愛する彼のキャラクターをホセ・ファーラーが素晴らしく演じていて、映像から目を離せられなくさせる。劇中でインサートされる数々のロートレックの絵、クライマックスでのムーランルージュの人々と華やかさが虚しさを漂わせアンリの心を感じさせる。

そして、最大のテーマと言える、価値観の相違と偏見、そして障害者へ眼差しは21世紀の今日にも変わることなく訴えかけていて、これこそが不朽の名作であることを再認識させられる 。
BLAIR

BLAIRの感想・評価

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ルドン・ロートレック展の予習として。
ゴッホの人生も切ないけど、ロートレックは辛すぎた。。あまり自分を卑下しすぎるもんじゃないな。

女の人がガミガミ騒ぎ立てたり苦手なシーンも多かったけど、画家が生きていた時代を理解するには良かった!

2020#55
ロートレック、美術界のなかでも一際悲しい人生を歩んだんだなって、第一に思いました。
身分もあり、画家としての才能も抜群。しかし怪我による足の障害により世間からは逆風。恋も儚く遠ざかるしで、辛すぎて見てられません。

ムーラン・ルージュの踊り子たちがよかったです。とにかくあのクラシック曲。死に際に見えた彼らもなぜかもっと素敵に見えました。
湯林檎

湯林檎の感想・評価

3.2
芸術の秋・美術編🎨

私にとって美術は音楽に次に好きな芸術分野であり、とりわけフランスの芸術は昔から強く惹かれるものがある。
そんな訳で映画「ディリリとパリの時間旅行」と「ミッドナイト・イン・パリ」に登場する画家ロートレックの生涯を描いた作品を鑑賞。実際にムーラン・ルージュでのシーンは以上の映画の一部のシーンとそっくり似ているところもあり、「ディリリ〜」でも登場する黒人芸人のショコラも今作に登場している。(ロートレックは実際にショコラの絵を描いてる)

スコアの数値が少し低めだけど、これは台詞が英語なのが違和感満載だったのと純粋に映画として特に面白かったわけではないから(汗)
でも恐らくロートレックが好きな人、美術が好きな人なら観て損はないと思うし私も観たことを決して後悔はしていない。

ロートレックはとりわけ好きな画家ではないけど何度か本や画集で作品を観た事があり、彼の描く作品はどれも躍動感のあり思わず脳裏に焼き付いてしまうくらいインパクトがある。そして、この作品で描かれているように生まれながらの体質によって病弱で低身長、女性関係に恵まれずに酒に溺れて寿命を縮めてしまっていたことも何となくだけど知っていた。

この作品で描かれることがどこまで事実かどうかは分からないけど、ロートレックは家柄と絵の才能は誰よりも恵まれているのにその分外見は人よりも劣っているというのが何とも哀れだった。劇中で彼の低身長で足が悪いことをからかう人達もとてもじゃないけど見ていられない。言ってしまえば19世紀から20世紀初頭のヨーロッパに障害者福祉は存在しないから仕方ないのかもしれないが。
とは言え個人的には例え身体に障害があって恋愛に疎くてもロートレックは画家としての才能があって作品が現代でも有名なだけでも恵まれていると思う。なぜなら芸術家(音楽家も含む)は生前は評価が高くても死後に忘れられてしまう人、生前も死後も作品が売れずに名前すら忘れられる人が多数だから。貴族の家系に生まれ衣食住に困ることなく高い教育を受けてきたにも関わらずムーラン・ルージュというキャバレーの踊り子達を描いていたのは自分とは違う世界で生きる人々に何かしらの美学を感じたのだろう。
ある意味ロートレックの生涯を振り返ってみると芸術家の存在意義について考えさせられた気がした。

余談だけど「ディリリ〜」のロートレックは今作とは違って明るく生き生きとしているのが対比的で面白い。史実では辛いことが多かったからこそアニメーションの中では楽しそうにしているという気持ちで今観ると少し涙ぐんでしまう気がする。
rs

rsの感想・評価

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踊り子のスカートが翻る、乱痴気騒ぎのムーラン・ルージュ。その片隅でスケッチをする、偉大にして小さき芸術家。
享楽の夜の夢は、彼の孤独を慰めるけれど、その度に夜明けが裏切った。

古きパリの街並みを彩った、トゥールーズ=ロートレックのリトグラフ。今や美術館の額縁に収められる彼の絵が、かつて街のあちらこちらに張られていた風景を、映画は再現してみせる。
「ムーラン・ルージュのラ・グーリュ」そのままに、色彩が躍動する。
(「フォリー・ベルジェールのバー」のようなカットは遊びだろうか)

ポスターが美術界から見下されようと、夜の人々が世間から見放されようとも。ベル・エポックに輝くパリの陰を、ロートレックは誇り描きつづけた。
日陰に生きる自分が愛されるなど現実にはないのだと、シニカルな筆致で。
朝が出会いと転機を運ぶけれど、彼の心や絵を愛する人々の声は、彼の憂いに届かない。

退廃に溺れた生涯の終わり、懐かしいムーラン・ルージュの幻を見る。乱痴気騒ぎも虚しさも、今となっては愛おしい夜の夢。
MeKono

MeKonoの感想・評価

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1.5
ベルエポックのパリ。
ムーランルージュへは2020.1に行ったけども、実際はこの映画よりももっともっと広い場所でした。
♪天国と地獄はいつでも鳴ってたし、紳士淑女の社交場であるのも今も昔も変わらぬけれども、この時代はさすがベルエポック、まだ中世の気品さが残ってるため、後のルザネフォルから始まるセクシーさはまだ無い。
行ったあとで今更感ですが、ロートレックのパーソナリティを初めて知った。だからムーランに入り浸っていたのか。
頭ごなしに誹謗する婦人に対し「悪く見えるのはあなた自身の心が悪いから」の言葉はホントにSNS時代に言ってやりたい
死に行く間際に見えるムーランが、本当に華やかで楽しい場所だったんだなーというのを想わせてくれて沁みる。
落伍者

落伍者の感想・評価

3.5
たとえ後天的な障害でも、卑屈さは一生消えないのだな。自ら幸せを遠ざける。あと、こういう伝記モノ見る度に自分は五体満足に生まれても何も出来ない、嫌になると同時に、実家が太い人物しか歴史に残らないのだという思いを強くする(実家が金持ちでないロートレックやヘレン・ケラーのような人も沢山いたのだろう)。
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