【第74回ベルリン映画祭　パノラマ部門出品】
『Bright Nights』トーマス・アルスラン監督作品。ベルリン映画祭パノラマ部門に出品された。

窃盗のプロが最後の仕事に挑むが、そこには陰謀が張り巡らされていて…というクライムスリラー。

劇伴を排し静かな演出で描かれたクライムドラマ。アルスラン監督作品は初めてだが、地味な内容ながらスタイリッシュに見せる手腕はなかなか。

暗い画面で人の判別がつきづらいという難点はあるものの撮影も実に素晴らしい。絵画を盗むシークエンスの見事さは特筆すべき。

いぶし銀の俳優たちの存在感、演技もよかった。渋い魅力をたたえる主演俳優もいい。

地味なクライムドラマながらなかなか魅せる。アルスラン監督の静的な演出と心理描写が上手く効果をあげている。秀作。

• #第74回ベルリン国際映画祭

有名な絵画の強奪をめぐるクライム映画。全体が静かなトーンで描かれているが、面白く観れた。

普通に面白いが安易なケイパーと予定調和の破局に傾いていた。アジト襲撃からのシームレスなカーチェイス移行はレフンのToo Old To Die Youngで目新しさはない。もっと特異なアクションを見せてほしかった。前作は汚職刑事による車両を用いた追跡に10分弱かけてなお全編85分、研ぎ澄まされている。テンプレートをいかになぞるかで前作は圧倒的だったと思う。