ノラネコの呑んで観るシネマ

フォロウィング 25周年/HDレストア版のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

4.3
クリストファー・ノーランのデビュー作。
スクリーンでは初見。
作家志望の男が、他人を尾行することを繰り返してるうちに、泥棒が趣味の男と知り合い、予想もしないドツボのスパイラルに巻き込まれてゆくノワール。
98年の作品なのに、モノクロ/スタンダードの画面は、50年くらい経ってるようなオールドルック。
時系列のシャッフル大好きなのも、この頃から変わってない。
テリングはさすがに洗練はされてはいないが、物語の着地点で思わず唸らされるのはお見事なセンス。
まあ後から考えれば、目的に対して手段がめんどくさ過ぎるだろうとは思うけど。
製作費100万円、実質自主映画体制で作った長編デビュー作だと思えば、十分に賞賛されるべきものだ。
現在のノーランを形作っている原点的な要素が垣間見られる作品で、改めて観ると、なるほど「オッペンハイマー」まで正常進化してるなと思う。