「フォロウィング」
人を追うことが好きな者と人の物を盗むことが好きな者の二人が盗みを働くクリストファー・ノーランの処女作。
一作目でこのレベルで、時系列もこの時から変えていたのは、もうこの時から頭一個抜けていると感じました。時系列が突然変わり、たった一瞬のシーンが、後半につれて、あのシーンだったんだと理解する時の自分の脳が楽しんでいると気づきました。
それだけではなく、歪な関係のコンビだけど、信頼していない主人公が、財を成したり、女のために他人の金庫から大切なものを取ったりするといった、たった70分で全てを詰め込んだと思います。これ以上と以下の分数では表現出来ない。
そして、盗みが好きな者は肝が座り、冷静で、盗むターゲットも女や金持ちだけ。貧乏人からは盗らないし、金目ではなく、音楽やカメラとか思い出を奪っていく。また、カップルとかだったら、関係を壊すような置き土産をする。身近にいる悪人を存分に発揮している。
そして、最後二人の行き着く先はどこに行くのかで、着地したところは想像もしなかったし、ワンシーンが全て意味を持つ映画でした。これが、ノーランの処女作。
やはり、彼は凄いと改めて思いました。そして、映画観ているとき、俺の部屋が荒らされてないかと心配になりました。現実にまで牙を向けられる作品。
