山内

フォロウィング 25周年/HDレストア版の山内のレビュー・感想・評価

4.0
物語が物語らしくある為には、どこかで物語を進めるための作為が必要で、上手な作者はその作為性を巧妙に隠す技術を持っているのだと思う。けれども、この作品は物語外の作者だけではなくて、物語内の登場人物も作為的な物語を作ろうとしているため、そちらに鑑賞者の意識をが集まり、メタ物語としての作者レベルの作為性が薄まっている。この監督の作品は常に作為性をどっかに仮託しているという共通点があるんじゃないかと、ふと思ったが検証していない。
探偵ものは、犯人という物語内の語り手がいて、その犯人が作為した物語がある一方で、それよりもレイヤーが上の探偵の物語もあるという点で、ほとんどメタ物語的なものなんじゃないかと思った。言われ尽くされているのかも知れないけれども。
山内

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