①
山田風太郎原作だから見た。甲賀忍法帖、忍びの卍、棺の中の悦楽など大好きな小説多数。だが本作は未読(忍法八犬伝は読んだのだが)。
八犬伝の物語…虚のパート。
八犬伝を書く滝沢馬琴のパート…実のパート。
虚と実が交互に描かれるという構成。
思ったのは滝沢馬琴=山田風太郎であり、自身の創作論にまで踏み込んだ重要作だろうということ。
滝沢馬琴の作風は勧善懲悪、善行善果、悪行悪果。
四谷怪談の鶴屋南北との対話を経て、
また自分の人生にも不条理な不幸が訪れ、自身の勧善懲悪な作風(さらには生き方)に迷いが生ずる。この辺り観客にも問いかけるモノがある。
しかも書き終えるのが大困難。馬琴は晩年病気のために………、どうなるかは見てほしい。
芥川龍之介の「戯作三昧」にも描かれていたので知ってたけどやはり凄絶。
そんな困難の中、迷いを捨てて自分の信じた道を馬琴は貫く。28年かけて南総里見八犬伝を書き終えた人生の最後。その姿には感動を禁じえず不覚にも涙が…🥲
②
話の構成上、八犬伝の物語より滝沢馬琴の人生の方が浮き上がってしまうが、八犬伝もおもしろい物語である。
まず設定がすごい。
なんやかんやあり、お姫様と飼い犬が結婚する。その八つ子が八犬士なのだ。
小学生のときからこの妖しい設定になんか惹かれるものがあった…。
八犬士は関東に散らばっており、1人1個ボールを持っている。8個の玉にはそれぞれ仁・義・礼・智・忠・信・悌の文字がある。そんな因縁により八犬士は数奇な運命に導かれ集まり、最終的に玉梓の悪霊と戦う…という物語。
漫画に影響を与えているのがよくわかると思う。
玉はドラゴンボールだし、前世の因縁により仲間が集まるのは「僕の地球を守って」。八犬士のアザは「キン肉マン」の運命の5王子。1人が幽閉されてるのは「男塾」の虎丸龍二。水が出る名刀ムラサメは「鬼滅の刃」かなぁ。あと「アストロ球団」(試合中に相手をブチ殺す超人プロ野球マンガ)。ジャンプ漫画多し。
③
あと物語中盤の滝沢家の家庭内での喧嘩シーン。
馬琴の息子「母上なんかに父上はもったいない!」
馬琴の妻「お前こそ何だ、40前で家で寝てばかりのウジ虫じゃないか!」
馬琴「やめないか!」
妻「あんたの教育の果てにこの子はウジ虫になったんだよ…」
え…なんか現代的ですごい生々しい喧嘩なんだけど…😨善行が善果にならないということか。
原作でこのシーンはどうなってるのか?重要作だし原作も読んでみたい。
レビユ-終
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さてここからは恒例の怖い話です👻
好きな人だけ読んでください。
【深夜の墓地】
以前話を聞いた霊感主婦Y子さん、前回聞いたもう一つの話。
理解できない部分があったので本当はもう一度詳しく状況を聞きたかったのだが、なかなか会えないので書いてしまう。
Y子さんが20代のとき、友人たちと沼津市のとある広い墓地に行ったらしい。霊園というのかな。そこは周囲は塀が囲まれていた。そして幽霊が出るという噂があったらしい。
(この人、本当によく心霊スポットにばかり行っている💦)
みんなでワイワイ言いながら霊園の最深部まで歩いて行く。が、もちろんそうそう幽霊なんて出るものではない。
広い霊園をぐるっと一周して戻ることにする。戻った先には当然出入り口があるはずだった。
しかしそれがなかったという。
ぐるっと一周回ったのに、少し前に入ってきたはずの出入り口がない。
そんなバカな…。
男女数名の若者グループは異常な空気に包まれた。
もう一度確認する。
さっきこっちから来たよね?あれ向こうだっけ?
方角の感覚が分からなくなりまた回りながら出口を探す。
しかし出入り口がどこにもない。そんなバカな。
怖いから塀を飛び越えて帰ろういうことになった。
それで塀をY子さんが見ると、不思議なものが目に入った。
塀の部分と柵の部分があり、塀の部分の端から端へ
🐈⬛三 三🐈⬛
────┐ ┌───
黒猫がすごいスピード(物理的にあり得ないスピード)で行ったり来たり反復して飛び移っていた。
それもまたおそらくY子さんだけに見えたものらしい。
(この黒猫のくだりがかなり意味不明である)
Y子さんが呆然としていると、
「あっ、出口あそこじゃない?」
「本当だ!あるじゃん」
出口が見つかった。さっきまでいくら確認してもなかったのに、再度確認したら出口がやっぱりあった…というのもおかしな話なのだが、とにかくみんな安堵した。皆んな走って出口に向かったらしい。
みんなの後を追ってY子さんも走って出口に向かう。ようやく霊園から抜けたところで何かにつまづきY子さんは派手に転んでしまった。
痛…
何なの…
つまづいたものを確認すると、そこにはお爺さんが仰向けになって寝ていたらしい。
えっ…??
もちろん深夜の墓地に近所の徘徊老人が倒れていたとか、寝ていたとかそういうことではない。
お爺さんはこの世のものではない。
つまり寝転がっている幽霊につまづいたのである。(つまづくということは物体化してる?)
怖いけど不思議な現象だと思った。
お爺さんがどういう服装だったのか?白装束なのか?洋服か?それはまた聞いてみたい。
終わり👴🏻