たまごやき

八犬伝のたまごやきのレビュー・感想・評価

八犬伝(2024年製作の映画)
4.0
豪華キャストな娯楽作でした。
心配してた「実」と「虚」の両パートで描く構成は、意外とちゃんと機能してました。
でもこの映画に関しては、鑑賞後に「虚パートの八犬伝もっと見たかったな…」となるので、「虚パート完全版ドラマ全8話はWOWOWで放送決定!」とかがあったほうがよかったかも(笑)

八犬士の名前が覚えられる自信のない方には、どの映画館でもイヤホンさえあれば使えるバリアフリーの音声ガイド(HELLO MOVIEのアプリ)が非常におすすめです。
私は里見八犬伝を通ってこなかったのと、以前「刀剣乱舞 黎明」でこちらの音声ガイドに刀剣男士の名前を補足してもらってすごく助けられたのを思い出して、初見で使ってみることにしました。
これが大正解。

「…と、義実」
「大きな白い犬が…」
「舞台。鶴岡八幡宮に武者が並んでいる」
「木戸番が迎えにきて…」
「涼やかな武士が座っている…」

↑む?なんで鶴岡八幡宮?と思ったので検索したら、歌舞伎の忠臣蔵は鎌倉時代に設定や役名が置き換えられてるんですね。歌舞伎詳しくなくて知らなかったです。

八犬士は知ってる若手俳優さんが多かったのもあって、ヒーローが集合していくくだりをワクワク楽しめました。
水上恒司さん他何人かヒゲキャラで見分けづらかったので、ガイドに助けられました(笑)

八犬士の衣装が派手だとか演出がマンガや特撮っぽいとかの感想も見かけましたが、八犬士の錦絵はあんなかんじの派手衣装でしたし、以前北斎展で馬琴×北斎の『椿説弓張月』の絵を見たときの印象が、「ザ・少年漫画や…!!」で、とりあえず集中線は江戸時代からあったし、ジョジョ立ちもオネアミスの翼の発射シーンの緻密さとか、全部北斎先生が先に描かれてましたやん、、となったので、あの世界観を映像化したらまあこれで合ってるわと思いました(笑)
弓張月とか、実際の北斎の挿絵も映画の中で映してくれてたらよかったかも。

そういえば、実際の馬琴は絵がけっこう上手くて、挿絵の指示用の下描きを北斎に渡してたんですが、それが馬とか武者とか絵師並みに描けてるんですよね。
太田記念美術館さんが解説してくれてるページがあるので、ぜひご覧になってみてください。

玉梓役の栗山千明さんは「妖しい」という言葉がぴったりでした。なかなかハマってました。
土屋太鳳さんは、私の中ではザ・生命力の象徴みたいなポジションなんですが(笑)、時代劇ぽい台詞回しも安定感あり、伏姫めちゃめちゃ説得力があってよかったです。

八犬士は、仮面ライダージオウの渡邊圭祐さんと板垣李光人さん、ヒーロー感あってよかったですね~。
キングオージャーの佳久創さんのファンと思われる小学校低学年と幼稚園年長さんくらいの兄弟がいて、たぶん最年少の観客でしたけど、ちょっとね、おじさんパートが長くて飽きちゃってたかんじでしたね、、
内容的には中学生以上向けかなー。

関東管領役の塩野瑛久さんは、栗山さんと並ぶと悪役側のビジュアルが良すぎないか?と思っちゃいましたが、舞台版の里見八犬伝で犬坂毛野役をされてたそうで、映画での毛野役の板垣李光人さんとの対決シーンは、毛野vs毛野の趣向もあったみたいですね。

最後に、
炭団(たどん)…細かい炭のカケラや燃え残りを再利用するため、のりを混ぜて丸めて乾かしてたもの
ですね。
↑微妙に思い出せなくて鑑賞中モヤモヤしたので(笑)
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