あっちゃん

ピクニック at ハンギング・ロック 4Kレストア版のあっちゃんのレビュー・感想・評価

4.0
ずっと観たいと思っていた作品だったので、映画館で見られて嬉しかった。

圧倒的な映像の美しさだけでも満たされる。オーストラリアの自然の美、寄宿舎や大佐の家のインテリアの趣味の良さ、衣装の素晴らしさ、少女達の儚い美しさ、青年の荒々しい美しさ、光と影の対比の美しさ、音楽の美しさ、特にパンフルートの乾いた音色がオーストラリアの乾いた大地と岩山の山肌に染み渡るようだった。

サスペンスというかホラーというか、どちらかというと私にとってはホラーにカテゴライズされる映画。
なんというか心持ちの居心地の悪さ、ガラスに爪を立てた音を聞かされるような気分の悪さがいつまでも消えない。
あちらこちらに散りばめられた居心地の悪さが積み重なり、鑑賞後にも心がざわついて落ち着かなかった。
なんだかよくわからない話なのに、細かいところまで何故か心に留まり続ける。

岩山が何かを象徴しているのか、どこか異界へと通じる入口なのかわからないが、どなたか無事に戻ってきた少女だけが大人の女性になっていたと言っている人がいて、なるほどと思った。
子供っぽい子やガチガチの大人の校長、そして男性は岩山に拒まれたのか。
行方不明になった先生は、外見とは異なり少女のような自由な心の持ち主だったのかも。
あっちゃん

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