観てから書くのに時間がかかりました。
・・そもそもfilmarksは難しい😫
"レビュー"だからこそ「見たい」って思ってもらうためには、なるべく褒める部分を探して書こうと、自分でルールを決めてしまった。余程じゃないとダメとは言わないルール。
あ、だからと言って今作がそんなダメだとは思ってないです。ただ、褒め方が難しい・・そして褒めてんのか、わし??。
なんというか、いまだに悩みますが、言わば『日本映画・ドラマみたい』です。
事件の壮絶さと残虐さは伝わるので意義のある作品だと思います。
事件を知らない人には是非観ていただきたいです。
これ、例えば「さとうきび畑のうた」でしたっけ?さんまさんのTBSのドラマ。骨格の作り方はアレです。あのドラマも人気でしたから悪いわけじゃない。TBS何十周年の記念作だったと思うし。
「タクシー運転手」
「26年」
「ソウルの春」
「KCIA南山の・・」
「1987ある闘い・・」
など一連の軍事政権を背景とした作品たちと並べた時、どこか《軽さ》が感じられるんですよね。
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以下若干内容に触れます。
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《軽さ》とは、この事件を当事者と言うより街の人の目線から・・と言うことを言ってるんじゃないです。「関心領域」のようなアプローチだから、それはOK。(まあその割に最後完全に表舞台に立っちゃうんですけどね)
なんか感じたのは登場人物の内面や思考のストレート感なんです。事件関連の過去作たちには、自己矛盾を抱えた人もいたし、深い苦悩があった。とても人間らしい多重構造を中に持っていた。
今作はみんなそれがいわゆるテンプレなんですよ。
反体制+家族への思いが描かれず(長男)
兄への嫉妬+割とそれだけ?(次男)
軍への従順+葛藤はほぼ描かれず(美容室の夫)
軍人夫を庇う+葛藤はあまりない(美容室の妻)
まあ全員は書きませんが、このテンプレ感が日本的なんですよね。言い換えると、観ていてわかりやすいんです。
うーん、事実は辛くて辛くて仕方ないものだから、だから装いをライトにしたのかもしれません。
だから初日に観たけど数日ずっと考えました。
これね、ずっと実績を積んできた美術監督の、監督デビュー作なんですよね。ディティールはすごく良かったし興味深いんですが、この監督のフィーリングがこうなんでしょうね。
ホント正直なこと言えば、脚本もこの監督さんですけど、ここを誰かに任せれば良かったのに・・って思います。
わし、それなりにたくさんの韓国作品を観てきました。それらとの比較からは、今作あまりオススメ出来ないかなあ。
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