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バッドボーイズ RIDE OR DIEのfujisanのレビュー・感想・評価

バッドボーイズ RIDE OR DIE(2024年製作の映画)
3.7
元気なウィル・スミスが帰ってきた!

2022年4月 アカデミー賞授賞式でビンタ騒動を起こしたウィル・スミス。7月に公式に謝罪し、その後表舞台で彼の姿を見ることはありませんでした。

そんな彼が出世作の一つ、バッドボーイズシリーズでカムバックするというんですから、観ないわけにはいきません。
前作「バッドボーイズ フォー・ライフ」は4年前の作品ですから、結構間隔は短かったのですが、もしかすると、復帰にはこれが一番いいと考えたのかもしれませんね。

映画は、いつもの通り、オレンジ色掛かった常夏のマイアミの空の下、ポルシェで爆走するマイク(ウィル・スミス)とマーカス(マーティン・ローレンス)のコンビの掛け合いからスタート。そうそうこれこれ!って感じでテンションが上がります。

そこそこご年輩となった二人。マーカスはこれまたいつものように、車酔い。『吐きそうだ、ちょっと止めてくれジンジャーエール買ってくる』、と。んでもって、店内で妻から禁止されてるジャンクフードを頬張ってると強盗が押し入る、遅いのでイライラしたマイクが入ってくる、早く車に乗りやがれ、さもなければ撃つぞ、と。

ということで、RIDE OR DIE、、という単純なものはなく、映画は意外に親子愛を含めたウェットな展開でもありました。

元々このシリーズは火薬王の異名を持つマイケル・ベイ監督が二作目までを監督し、三作目の前作からアディル・エル・アルビ監督にスイッチ。もとのテイストは残しつつ、ヒューマン・ドラマ的要素が盛り込まれており、前作の評判も良かったことから、本作も同監督が同じテイストで続編を製作。

ちょっとウェットなテイストが、騒動からの復帰作となるウィル・スミスにちょうど良かったのでは?と思えるものになっていて、例のビンタ騒動も大きな笑いとともに、ちゃんと伏線回収に使われていて、とても良くできた作品でした。

元々、ストーリーはあってないようなもの。とにかく、頭空っぽにして、めっちゃ笑ってストレス解消!そして、おかえりなさいウィル・スミス!って感じの、爽快アクションコメディー。たまにはこんな作品もいいですよね!

中盤、少し中だるみしてテンポダウンし、劣化版ジョン・ウィックみたいになったところが気になりましたが、総じていつものハチャメチャコンビアクションでとても楽しめました!

■ 今作から観て大丈夫?
一点だけ、シリーズ観てないんだけど、この作品から観て大丈夫?と思われていたら、大丈夫大丈夫、って答えられます。

繰り返しますが、元々ストーリーはあってないようなもの。私も(ほぼ)以前のストーリーなんて覚えてなかったですが、その前提で作られている気がしたので、楽しむことができました。

とはいえ、いくつか事前に押さえておくといいかもってところをネタバレなしで。

□ マイクの息子、アルマンド
本作のメインキャラクターのアルマンドは、マイク(ウィル・スミス)の息子なので勘ぐらなくて大丈夫です😅。息子っぽくないところや、過去のいきさつから互いに関係がギクシャクしてますが、無鉄砲なところが似ているんだとか。

ちなみに息子、アルマンドは前作「バッドボーイズ フォー・ライフ」で、よりメインで登場するので、本作で興味を持ったら前作を(今だとネトフリで観られます)

□ アルマンドの母親は?
これも前作で深く語られてますので、ネタバレ無しで言えるところだけ。母親はメキシコの犯罪組織の幹部で、本作ではすでに亡くなっています。そのため、息子アルマンドはマイクに対して複雑な感情を持っている、という背景が。
ちなみにマーカスが魔女、黒魔術とか言ってますが、これは、彼女が黒魔術に傾倒していたため。

□ その他
細かい点では、冒頭のポルシェのシーンや、「バッドボーイズ、バッドボーイズ、ワチゴナドゥ~」って歌うシーンなど、シリーズで繰り返されるシーンは今回もあって、シリーズで見ていると楽しめます。

仲間たちも前作通りではありますが、一人だけ、レイフ(チャールズ・メルトン)が出ていないのが気になりました。

おそらく、ちょうど7月から公開される話題作「メイ・ディセンバー ゆれる真実」にも出演し、高評価を受けているようなので、こちらの出演を優先したのかなーとも思うのですが・・・

ちょうど前作ではマイク(ウィル・スミス)と小競り合いを起こす役柄だったので、それがなにか影響してるんだろうか・・みたいに、ちょっと勘ぐってしまいました😅

とまぁ、ちょっと脱線してしまいましたが、ウィル・スミスはこれで完全復帰になると思うので、また次の出演作が楽しみです!
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