Koshii

憐れみの3章のKoshiiのレビュー・感想・評価

憐れみの3章(2024年製作の映画)
3.7
わーい!よるごすらんてぃもす!!

「哀れなるものたち」で初めて知り、今作もかなり楽しみにしていました!!

特徴のあるくっきりとした画の撮り方、ピアノが奏でる不穏なBGM。そして扱う題材。「生と性」

村田沙耶香さんや、川上未映子さんが好きな私は、その身体的な隙につけ込むような生々しい切り口と、強烈な世界観にやられる。

ひょっとすると、本作の価値観というか、倫理観は近い将来には正しくて、当たり前のことかもしれない。ユーモアとかブラックジョークとかは大マジで、三遍ともに飲み込む楽しさがあった。

以下、ネタバレを含みます。








個人的に一番好きなお話は二つ目の『R.M.F.は飛ぶ』。強烈なラスト。
奇跡的に生還した妻の違和感を悉く疑い、
彼女は本物の妻では無いと突っぱねる夫。
異常な行動の数々は鑑賞者を煽り、蚊帳の外からその狂気を見届ける。見届けて終わりのはずだった。しかし、訪れたラストは本物(?)の妻との再会。全てがひっくり返るとしたら、妻と思われていた存在とは何だ?
俯瞰を決め込んでいた我々に、突然現実を突きつける。

到底、あのお茶目なワンちゃんエンドロールの時間だけでは咀嚼できない。


映画館が異質な生き物のように感じたのは、きっと私だけじゃないはずた。
Koshii

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