わーい!よるごすらんてぃもす!!
「哀れなるものたち」で初めて知り、今作もかなり楽しみにしていました!!
特徴のあるくっきりとした画の撮り方、ピアノが奏でる不穏なBGM。そして扱う題材。「生と性」
村田沙耶香さんや、川上未映子さんが好きな私は、その身体的な隙につけ込むような生々しい切り口と、強烈な世界観にやられる。
ひょっとすると、本作の価値観というか、倫理観は近い将来には正しくて、当たり前のことかもしれない。ユーモアとかブラックジョークとかは大マジで、三遍ともに飲み込む楽しさがあった。
以下、ネタバレを含みます。
個人的に一番好きなお話は二つ目の『R.M.F.は飛ぶ』。強烈なラスト。
奇跡的に生還した妻の違和感を悉く疑い、
彼女は本物の妻では無いと突っぱねる夫。
異常な行動の数々は鑑賞者を煽り、蚊帳の外からその狂気を見届ける。見届けて終わりのはずだった。しかし、訪れたラストは本物(?)の妻との再会。全てがひっくり返るとしたら、妻と思われていた存在とは何だ?
俯瞰を決め込んでいた我々に、突然現実を突きつける。
到底、あのお茶目なワンちゃんエンドロールの時間だけでは咀嚼できない。
映画館が異質な生き物のように感じたのは、きっと私だけじゃないはずた。