フリーザ

フィアレスのフリーザのネタバレレビュー・内容・結末

フィアレス(1993年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

ピーター・ウィアー監督作は『ピクニックatハンギング・ロック』と『トゥルーマン・ショー』しか観たことが無かったがどちらも好きな作品。
これもとても良かった。

主演のジェフ・ブリッジスはカート・ラッセルと似てるんだけど、無骨でタフなイメージのカート・ラッセルに比べて何考えてるか全然分からないけどある種超人的で達観した様な大きさを感じる。多分『スターマン』のイメージがでかいせい。

飛行機事故によって死に対する恐怖を感じなくなり人間から天使の様な存在になってしまったジェフ・ブリッジスが、同じ飛行機事故の生還者を救い、また家族に救われ天使から人間に戻る話。だと思う。

ジェフ・ブリッジスの設定からして詳細な説明等ないし、話もどこにどう向かってるのか掴めないのでこちらからアレコレ思いをめぐらせなくてはいけないタイプの作品。

いいなぁと思うシーンなショットがめちゃくちゃあった。
□車が行き交う道路を横切り「神に俺は殺せない」と笑うジェフ・ブリッジ
□パッケージにもある建物の屋上で叫ぶジェフ・ブリッジス(実際のシーンはもっと周りに高いビルとかあってごちゃごちゃしてるけど)
□飛行機事故の生還者で息子を亡くした女性とのクリスマスのシーン全般。
□最後に苺食べてからのシーン全部。オープニングから何度も挿入される事故のシーンが、徐々に思い出されていき最後にその全貌が描かれるという手法で、とにかくその迫力が凄い。

また何気ないシーンでも街並みや建物、空の色、どれも美しい。
保険会社とのやり取りがどうの、英雄扱いがどうのという地上の問題に無関心で文字通り人間ではなくなってしまったジェフ・ブリッジスの目線で見える、現実世界から少し浮いたような世界が良い。

少し違うが事故から生き延びたことで超人的な力を手に入れ〜みたいなのはシャマランの『アンブレイカブル』
飛行機、集団セラピー、わざと車で事故を起こす、といった部分はフィンチャーの『ファイト・クラブ』。(飛行機事故で息子を亡くした女性がちょっとヘレナ・ボナム・カーターに似てる)
の元ネタなんだろうか。
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