【臨死】
同じ後遺症、トラウマものだったら青山真治の『EUREKA』よりも遥かに深いし面白いと思った。主演ジェフ・ブリッジスとイザベラ・ロッセリーニの名演によって支えられた思慮深いヒューマン・ドラマの佳作。
ピーター・ウィアー監督らしい「生」と「死」のアンビバレンスを醸成している現代人への処方箋みたいな心癒される内容になっており、観る者を爽やかな感動へと誘う。『EUREKA』同様PTSD、メンヘラを描いた映画。アプローチは全く違うのだが、こちらは正攻法。
小品ながら清楚で前向きなスタンスに共感を覚える、ウィアーらしい素朴な視点の冴えた作。心の傷は根深い。