ホラーとしての怖さ。という意味で言うとそんなに怖さは感じないと思います。
それはやっぱり映像感覚が先鋭すぎてどうしても物語と言うより画力にいちいち魅せられてしまうからなのかも。
西洋建築的な正対象な構図は人工的で存在感が否応無しに感じられ、日常的に正対象な建造物が少ない日本人から見ると特に居心地の悪い不穏な感じがすると思います。
どちらかというとストーリーの怖さを楽しむ、というよりはバキッとした色彩と構図、キューブリック監督によるデザインを楽しむ映画と捉えた方が楽しめるんじゃないかと思います。サブリミナル的に差し込まれる恐怖映像だったり、エレベーターから迫り来る大量の血なんかも美しい。
でもいかにも怖がらせようとする不協和音や子供の使い方、しまいには凍っちゃったジャックニコルソンの顔なんてみたら笑っちゃうしね。
でもこういうキューブリックデザインは色々な監督に影響を与えてると思うので観て損は絶対ないかと思います。