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シャイニングのkuのネタバレレビュー・内容・結末

シャイニング(1980年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃ有名な作品ですが、今まで観てなかったです。
有名すぎて逆に後回しにしていました。
今回はドクター・スリープが公開されるってことで、ドクター・スリープ観たいしじゃあ観ようかってノリで観ました。
泣きました。怖くて。

終始、BGMが不快でただただ苦痛でしたね。
ダンケルクでもそうでしたけど不協和音って人の恐怖心を煽りますよね。
耳を塞ぎたくなるような甲高い音が終始鳴り響く。耐え切れず音量を下げてしまいました。

BGMだけじゃなく、役者さんの演技や表情、映像の明るさ、色合い全てが不協和音。
ホラーってだいたい映像暗いですけど、シャイニングは終始明るかった。暗い場面でもジャックが電気を付けてくれたので、嫌でもよく見える。
色合いもとても明るい。ホラー映画じゃなければオシャレな映画として女子受けも良かっただろうなと思うくらいにホテルの内装が可愛い。
可愛すぎて本当に不気味。こんなに可愛くってテンション上がらない内装あります?
そこでもう脳が混乱してる。可愛さを余裕で打ち消す狂気。もうやめて。
今後可愛いホテルの内装見たら真っ先にシャイニングを思い出すんだろうな…。

あたしが泣いたシーンが犬男と紳士のホモセクシュアルなシーン。
強烈でしたね。
元々着ぐるみが苦手だっていうのもあるんですが、急にあのシーンが登場してきてもうパニックですよね。急に着ぐるみが出てきたことも謎だし、行為をしていることも謎だし、犬男と紳士が無表情で見つめてくることも謎だし、全てが謎すぎてそれがもう怖くて一時停止して泣きました。
キャパオーバーしました。

シャイニングは多分原作を読んでから観たらまた違ったと思うんですけど、原作未読のあたしとしては一回の視聴では謎が多すぎて理解が追いつかなかったです。
同じ人間なのに見ている世界が異なっていて、何を考えているか理解出来ないっていうのが一番の恐怖でした。
他者を理解出来ないって本当に恐怖です。殺されてしまうっていうことは分かるのにどのように襲ってくるか分からないですし、どのように対処していいか分からない。
未知がこれほどまでに恐怖に直結するとは知らなかったです。

ジャックはもともと易怒性のある人だったのかなと思います。
確実に狂ったからこそこの惨状が繰り広げられたんでしょうけど、易怒性があったからこそ狂ったのかなとも思います。
精神が徐々に蝕まれていく様が凄くリアルでした。自分でも狂ってきているのを認知し始めた時にウェンディに人でなし扱いを受け、迫り来る狂気の中に絶望が滲み出すかのような。
自分は息子を傷つけるような人間じゃないぞと言い聞かせ、亡霊はそれを否定しなかった。
躾が必要と相手が悪いかのようにジャックに刷り込ませ狂気の色を強めていく。

自分は間違っていないという思い込みは狂気に変わった。

観終わった後、すぐに他の方の考察を読みました。
意味が分からなかったということがとても恐怖で自分の中であの場面はこうだったと納得させでもしないとトラウマのように自分の中に保存されてしまうだろうなと思ったからです。
犬男だけはしっかりと脳裏に焼き付いてしまったので恐らく当分忘れられないでしょうね。
悪夢として夢に出そうです。やだな。
シャイニングは伏線回収をしに何度か観なおしたいと思うんですけど、犬男が強烈すぎて当分観なおせないなと思いました。
犬男の存在が薄れた頃にまた観ます。そんな日が来るのかな…。
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