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ANORA アノーラのlotusのネタバレレビュー・内容・結末

ANORA アノーラ(2024年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

とてもよかった。アノーラも素晴らしかったけど、個人的にイゴールの存在感が刺さった。ユーリー・ボリソフの他の出演作観ないとなと思った。単純に顔立ち(骨格)が好きもあるかもしれない。

わたしがあまりそういうジャンルを観ないからかもしれないが、こんなにドガシャーンと物が壊れるの久々に見たなと思ったし、こんなに皆が皆わめいているのも久々に見たなと思った。映画館で何度も笑い声が上がっていた。コメディパートの画のポップさがよかった。皆それぞれに真剣であるが故に可笑しなことになっているのがすごい伝わってくるというか。

泣くと思ってなかったけど、ラストシーンでアノーラと一緒に泣いてしまった。
イゴールはアノーラに惚れてたと思う。アノーラは惚れてただろうか、分からない。でも、イゴールが、人間として対等な立場で話そうとしてくれていることは感じていたと思う。基本的に素直な(※命令に対しても)イゴールと対等な立場に身を置くと、素直にならざるを得ない。ドタバタな道中の間ずっと隠してきた弱さが引きずり出されそうになって、だから、鎧として“いつもの”“仕事の”自分を持ってきたけど、イゴールが求めたのは“仕事の”ではなかった。なんでわたしをむき出しにするのよ弱さなんて要らないのに!の涙だったと思う。
イゴールとのその後の関係性は分からない。けど、道中を共にして、一緒にすべてを見てきた彼の胸で一度泣けたのはよかったと思った。
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