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ベイビーガールのlotusのネタバレレビュー・内容・結末

ベイビーガール(2024年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

やー、よかったなぁと思いながら映画館出て、今Filmarks開いて星つける段になったら、えっ、めっちゃよかったな???と思って星5にした。ニコール・キッドマンとハリス・ディキンソンがめちゃくちゃハマり役だったと思う。可能性で充満しているような生成的な関係性を見事に演じていた。ふたりともすっごい色っぽかった。そしてニコールの身体がうつくしすぎた。

徹底的にファンタジーだったのがよかった(サミュエルの登場シーン、物語のはじまりはじまり〜♪感すごかった)。でもだからこそリアリティを感じられた。ファンタジーだから、フィクションだから、“見てられる”ものってたくさんある。
欲望の形が相補的な相手と出会えるのって奇跡的で幸せなことだよなと思っちゃった(終わり方も好きだった)。サミュエルはドッグトレーナー的ポジションだったけど、人の本質嗅ぎ分け力とケアリング力という点においては、サミュエルこそ犬っぽい。彼の背景は全くと言っていいほど描かれていないけど、意識するより先に「直感的に分かってしまう」ことの苦悩も背負ってきた人なんじゃないかと思った。
ロミーの描写として、EMDRが出てきたのもへぇと思った。映画の中に出てきたの初めて観たかも。

ジェイコブとサミュエルが殴り合いの後に交わした会話も印象的だった。映画の中の台詞としては、ジェイコブのほうを「古い」と一刀両断していたけど(それは当然ながらロミーを肯定するために)、ジェイコブの考え方も間違っている訳ではないと思う。『○○は間違いなくこうなんだ』と決めつけてかかることが問題なのであって、ジェイコブの考え方もサミュエルの考え方も、どっちも「有り得る」。仮説の入れ替えを繰り返して1本に絞っていくのではなく、仮説を増やしていくことが“アップデート”なんじゃないか。アップデートという言葉も野暮な感じがするが。

セクシャルな表現に抵抗ない人は是非観てほしい。女性の欲望がででん!と顕わになってるという点で、春画を連想したりした(春画めちゃおもしろいので見たことない人見てほしい)。あと今年なってから観た『ブラックバード、ブラックベリー、私は私。』も思い出した。
あと、内容に関係ないことだけど、クラブのシーンのライトの点滅が個人的に辛くてちょっと目を細めました。
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