湯っ子

ANORA アノーラの湯っ子のネタバレレビュー・内容・結末

ANORA アノーラ(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

アノーラみたいに若くてかわいくてスレンダーなら、あんなビッチなファッションもしてみたいし、一生に一度くらいなら(私も含め、たいていの人が一生に一度もないけど)あれだけ派手な乱痴気騒ぎがあったっていいじゃんと思う。エクストリームなパリピ映像、私はすごく楽しかった。

その後、お話が一転して動き出す。豪邸でのひと騒ぎ、夜の街の徘徊、この辺までは起きていた。でもその後が長くてウトウトしては目覚めを繰り返した。細かいところは見落としてるんだろうけど、あんまりお話に影響はなかった気がする、イゴールと過ごす終盤の展開には、私なりの解釈を考えることができた。

以下、まとまりはありませんが、勢いのまま書き殴ります。



ショーン・ベイカー作品は「フロリダ・プロジェクト」「レッド・ロケット」「タンジェリン」(これは観たけどあまり集中できなくて印象にも残っておらず、レビューもしていない)を観ている。これまでフォロイーさんのレビューを読んだり、監督のインタビューを読んだりしているところ、どうやらこの人は「アメリカ」を描いている監督のようだ。
とすると、この作品のヒロイン・アノーラがロシア系ってことにはやっぱり何かメッセージがあるんだろうなと思う。
ロシアの御曹司イヴァンと、ロシアにルーツはあるものの、本名のアノーラではなくてアニーと名乗る彼女がセックスしまくっているのは、力による脅威(ロシア)と資本価値(アメリカ)がせめぎ合っていることの暗喩なんじゃないかとか。
無骨な用心棒イゴールがアノーラの名前の意味を聞いたり、彼女を人として尊重していたのは、異なる存在であってもそうやって心を寄せ合うことだってできるって言いたいんじゃないかとか。それと、アノーラがアメリカ人だけどロシアにもルーツがあるってことで、人と人が分断するなんてナンセンスだと言いたいんじゃないかとか。アノーラ個人の物語で言うと、アノーラにとって、異性とのコミュニケーションはセックスしかなかったけど、それだけじゃないってことをイゴールが教えたんじゃないかとか。

鑑賞後、フォロイーさん方のレビューを再度読んでみて、なるほどと思うことがたくさんあった。私はラストでアノーラがイゴールに跨るところで、イゴールは勃たなかったんじゃないかと思ったし、キスを拒んだのはイゴールに思えた。「コンパートメントNO.6」のリョーハに引っ張られただけ?私はあのシーンには「こんちくしょうめ、なぜあんたはこんなにやけっぱちな女のキスを拒むのが似合うんでしょう!」と興奮してしまいましたが、キスを拒んだのはアノーラと見たフォロイーさんもいて、あれ、そうだったっけ?私最後はバッチリ起きてたはずだったんだけど…、なんて思いました。ここは曖昧に描いているのかな。それとも、やっぱり私が寝ぼけてただけなのか?配信にきたら確かめないと。
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