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セーヌ川の水面の下にのTSのレビュー・感想・評価

セーヌ川の水面の下に(2024年製作の映画)
3.6
【セーヌ川での悲劇】76点
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監督:ザヴィエ・ジャン
製作国:フランス
ジャンル:ホラー
収録時間:101分
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 最近トレンドになってるNetflix製のサメ映画。さすがNetflixといったところか、予算がきっちり組まれているため、B級感はほとんどなく、むしろタイトル通りパリのセーヌ川が舞台であるため、見応えがありました。サメ映画の中ではパリが舞台ということもあり全体的に明るい部類に入り、見やすいです。展開も斬新で、サメ映画に慣れている人でも楽しめるのではないかと思います。

 異常に成長してしまったサメ、リリスを捕獲しようとするとあるグループはリリスの餌食になってしまう。それから3年後、パリではトライアスロン国際大会が開催されようとするのだが。。

 パリ五輪が始まる直前にこれが配信されるのは確信犯以外の何者でもないと思うのですが、パリのセーヌ川の汚さもわかってしまう自虐的映画でもあります笑 そもそも都市なんて汚物の集合体みたいなものですし、パリなんてオスマンが都市改革をするまでは、滅茶苦茶汚い都市でしたよ。江戸とパリなんてもう雲泥の差であったことでしょう。ところでセーヌ川の川底には骸骨が転がりまくっていましたが、やはりそんなものなのでしょうか。ちょっと日本では考えられないため驚きました。まあ骸骨で組み立てた寺院なども平気で存在するため、我々が思っている以上に、骸骨はパリの人々の生活に溶け込んでいるのかもしれませんね。

 前半はやや退屈ですが、中盤の環境保護団体の連中がパニックになるところあたりから面白くなります。このリリスというサメの凶暴性は明らかなのに、サメを守ろう!と言い出す保護団体。いやいや、考えは立派ですが自然の摂理に歯向かっていますよ。人間如きがサメをコントロール出来るはずもないのです。そうやって綺麗事を言っていた連中は、手のひらを返したように、襲われていくのですが。。

 で、自分のことしか考えないパリ市長がトライアスロン国際大会を強引に開催したところがクライマックス。もうどうなるか誰が見ていても明らか。ラストもなかなかの後味でして、これはこれでありだなあと思いました。傲慢な考え方を持つ者達が悉くサメにやられていきますので、縁起が悪いですがある意味爽快です笑 サメ映画の中でも、食われる人間の数は多い方だと思います。手足が食いちぎられまくるので、耐性のない方はやや注意してください。
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