このレビューはネタバレを含みます
「いるよね、こういう若者」という日常から、物語が進んでいくにつれて非日常に突っ走っていく展開が良かった。
実は最初に見ていたよくある若者像の時点でカナは精神のバランスを崩しかけていて、ということはよくいる若者は皆ギリギリで生きてるのか?と、カナのフィルター越しに若者の生き方をなぞることができる作品だった。
個人的には、堕胎で負ったトラウマに耐えられなくなったカナの暴力が、定点カメラで見ることで全て恋人とのコミュニケーションであり、じゃれあいのように見えるのが怖かった。
元彼は物事全てを自分ごととして捉え、今彼は全部他人事として捉え、
カナは物事を捉える段階よりも前というか、素直だけどそれゆえに暴力性がある、幼さゆえの棘を感じた。
カフェで昔の同級生が自殺したと聞いた時、カナは自分の子どもをおろす自分をどう感じただろうか......