このレビューはネタバレを含みます
河合優実を楽しむ作品だなという印象。病的に自由奔放なカナに2時間くらい振り回され続けるので、その刹那的な生き方を楽しんで見れる人ならいいけど自分は疲労感がすごかった。クリエイターの彼氏がカナに浴槽で蹴っ飛ばされるシーンとか、ロン毛が風俗に行ったことを泣きながら謝るシーンとか、カナの周りにいる男達に感情移入しちゃうから辛かった。特徴的だなと思ったのは、登場人物の心情やバックボーンなどの核心的な部分を敢えてはっきり描写しないところ。この世界観にハマった人はそこを考察するのが楽しいと思う。すごく失礼だけど、河合優実にオシャレで魅力的な役をさせて内容をちょっと難解にしているだけで、これといったメッセージが無いというか、フィーリング重視で作ってる作品なのかなと思ってしまった。すごく個人的な意見で申し訳ないけど、途中で挟まれたランニングマシーンのくだりみたいに、カナの妄想と現実を行き来するようなサイケデリックなシーンがもっとあれば楽しく鑑賞できたと思うし、心情を表に出さず客観的な視点にこだわるならもう少し展開に捻りが欲しかったし、上映時間ももう少しコンパクトでよかったかなと思ってしまった。でも、現代の雰囲気を感じるのには良い作品だと思いました。