このレビューはネタバレを含みます
よかった、という声が多く気になったので鑑賞。なんでしょう、このなんとも言えない、わかりたくないけれどわかる。共感したくないけれど、共感してしまう。まだなにも捉えられていないし、終わり方に驚いて、頭の中が整理できていないが、爪痕を残された感じ。この映画に対して多分「ヒステリックな女の子」という感想で片付けることもできるけど、これをみんなが受け入れていることになんだか安心した。
自由でいたいが誰かがいないと生きられない。かまってほしいけど、かまわれすぎるのは嫌。男性への嫌悪感があるのに、男は側にいてほしかったり。(これは想像だけど。最初の喫茶店のしゃぶしゃぶの話とか、街角のホストとか気持ち悪いし女を軽視した言動に軽蔑する。あの演出はそういうことじゃないかという)あとは、子どもの頃は気にしたことなかったけど、大人になると急に家柄や格差を感じされるあのモヤっと感。大人数の場に連れてこられて放置される孤独な感じ。
最初の彼氏はやさしいけどちょっと怖かった。新しい彼氏と同棲するようになってからは、好きだった相手が手中に入ってしまった満たされないなにか。抱いていた幻想を壊されたような、急に現実に引き戻された感じ。逆に仕事をし続ける彼氏側が自分と重なり、思うこともちらほら。
一か十でしか語られない問題を、細かく見せられた気がする。すぐ良し悪しを判断して解決するような、そんな簡単なものではなく、日々過ごしている中で言語化できなかったから、そのまま通り過ぎてしまい蓄積していたもの。それらがこの作品に詰まっている。
脱毛、整形、タトゥー、鼻ピアス…しなくてもいいのに流行ってるから気になってしまう時代の流れ。
これに関しては
「自分の頭で考えられない人間が増えて
日本は少子化と貧困が進む」(こんなニュアンスだったはず)という台詞がアンサーだろうか。