隷属から解放へ
藤井聡太(日本将棋連盟 棋士)
ビル・ゲイツ(マイクロソフト創立者)
ラリー・ページ(Google創業者)
セルゲイ・ブリン(Google創業者)
ジェフ・ベゾス(Amazon創業者)
マーク・ザッカーバーグ(Facebook創業者)
ジミー・ウェールズ(Wikipedia創業者)
P.F.ドラッカー(経営学者)
バラク・オバマ(元米国大統領)
クリントン夫妻(元米国大統領と国務長官)
ウィリアム王子とハリー王子(英国王室)
アンネ・フランク(アンネの日記)
ガルシア・マルケス(ノーベル文学賞作家)
ジョージ・クルーニー(俳優)など
(ネット調べ)
世界の著名人が受けたことでも有名な「モンテッソーリ教育」。
子どもをよく観察し、子どもの好奇心を刺激し「集中と自立」を促す教育法(メソッド)だという。
(ざっくりすぎるが)
その教育法を生み出した女性マリア・モンテッソーリの7年間を描く実話ベースの物語。
フランス語タイトル "La nouvelle femme"
「新しい女性」という意味だ。
マリアはイタリア初の女性医師としてキャリアをスタートする。
20世紀初頭、男性しかいない医学部で初めて学び、偏見や差別に屈さず、新しい道を自ら切り開いてきた女性なのだ。
周囲に流されることなく、結婚ではなく、未婚の母という道を選ぶ。
まさにその当時としては「新しい女性」だったのだ。
しかし、その道のりは順風満帆ではない。
男性中心の社会では、功績はパートナーに持っていかれ、無給で働かざるを得ない。
パートナーと子を授かるが、キャリアを優先するために乳母に預からざるを得ない。
女性のキャリアと子育てはまだ両立しない社会なのだ。
苦悩の中、マリアは障害児を抱える高級娼婦リリと出会う。
ソリが合わない二人だったが、運命の出会いとなっていく。
(リリは実在の人物ではなく創作らしい)
リリの計らいと協力でマリアは独立し「子どもの家」をつくり、「モンテッソーリ教育」を確立していくのだ。
マリアの隷属からの解放。
それは、子どもたちの「隷属」の教育から「解放」の教育への転換でもあったのだ。
大人の都合で教え込むのではなく、子どもの興味関心、好奇心、独自性に着目し、集中と自立を促し、創造性を伸ばしていく。
モンテッソーリ教育で育った著名人をみればそのことが頷ける。
映画の中の子どもたちの生き生きとした姿や成長ぶりも見どころだ。
映画の中でハッとさせられた言葉がある。
「お仕事」
子どもが集中して夢中で何かに取り組んでいるとき。
それは「遊び」ではなく、子どもの「お仕事」として捉えているのだ。
新しい視点と考え方を与えられた。
「子どもは遊ぶことが仕事」とはよく言うが、子どもが集中し夢中で取り組む環境をつくることこそが「モンテッソーリ教育」の核心なのではないかと思えた。
決して派手な作品ではありませんが良質な佳作。
「モンテッソーリ教育」に興味を持っている方、その生みの親であるマリアの生き方に興味を持たれる方には特にオススメいたします。