十一人の賊軍のtkのネタバレレビュー・内容・結末

侍とは縁もゆかりもない市井の者たち。
新政府軍に阿るための消耗品軍団。
それ故に全く格好良くないし、むしろ無様を晒してさえいる。
使い捨てが故に、常に宙ぶらりんな存在。
どっちに転んでも負け戦。
何というか気持ちが高まるのは難しい話。
御家老の風見鶏は、利用されるだけの人間には恨みを買うしかない、汚さでもある。
でもそうするしかない、それもある。
この映画の主人公は鷲尾と溝口の2人なんだと思った。
守りたくとも、守れなかったもの。
命を賭して守れたもの。
対照的な2人。
阿部サダヲの老獪さと仲野太賀の武士道。
ご両人ともイイ役者ぶり。
太賀くんの大河ドラマ主演が楽しみ。
登場人物ではじっつぁんの漢気に痺れる。
ナダルが何より面白いし、兄貴が誰かと思えば佐野岳と知って驚き。
どうりでいい眼をしている訳だ。
キラリと輝く人物で良かった。
ゆりやんッ！！もいるしw
でも木竜麻生の加奈が一番素敵だった。
この時代劇に誰よりも馴染んでいて、物語に説得力を与えてくれる大事な役柄。
メインを張る作品も是非観たい。
幕末といえば不思議な情緒と激動の時代の魅力があるけど、テンションぶち上がるような映画ではない。
それでも見どころが多々あって、生きる意志を感じる作品だったのが良かった。