トムトム

十一人の賊軍のトムトムのレビュー・感想・評価

十一人の賊軍(2024年製作の映画)
3.0
うーん。イマイチ。

時代劇は大好きですし、◯人の〇〇なんて大好物のタイトルです。
しかも罪人を集めて戦わせるという「スーサイドスクワッド」やら「ワイルド7」的な物語なんて嫌いなはずがない。
こんな大好きなものがてんこ盛りの作品を嫌いなはずがないと思っていましたが……イマイチ弾けない。

これ脚本が悪い。

こういう系統の作品は最初は無理やり戦わされていた罪人達が最後には戦う必要はないのに意地や守るべきもののために自発的に団結して立ち上がるという流れが鉄板の展開と思うのですが、この主人公達のモチベーションの持っていき方が上手くありません。

最初は無理やり戦わなければならない妥当な理由がいるはずなのですがここが弱すぎて観客としてノレません。

いや逃げたらええやん。逃げれそうやん。
家老の娘がふらっと来てふらっと帰れるくらいなんやし。

体に爆薬が仕掛けられていたり、毒薬飲まされていたり、家族が人質になっていたりしたらまだしも、何回も逃げる山田孝之が正しいのにドラマ的には展開をトーンダウンさせる邪魔な存在に思えてしまいました。

なんか知らん間に山田孝之がリーダー感を出しているのもよくわかりません。

そしていざ「俺たちの意地、見せてやるぜ!」からの盛り上がるはずの展開ですが、ここまでの描写からクソレベルが新発田藩>奥羽越列藩同盟>官軍なので、なんで1番話が通じそうでいい奴らの官軍に怒りを炸裂させるのか分からないというか、可哀想やん官軍。

そういう意味でラストの一捻り展開では燃えますよ。
観客も散々クソっぷりを見てきた真の敵に怒りをぶつける展開なんですし。

でもこの頃には仲間が少なすぎてバトルにしても仲間の散り際演出にしても盛り上がりポイントが足りない。

官軍を退けた段階に8人くらい残ってて欲しかったですね。

これ系統の作品はセンターを作るために奇数人数になると聞きますがキャラクターを描けるのは5〜7人が限界ですかね。

あとは得意技かビジュアルでなんとかキャラクター付しなければキャラが薄くなります。

何が言いたいかと言いますと、ゆりあんは十一人に入れろや。もったいない。
戦う女性キャラは必須でしょ今は。
土俵上で相手を殺した極悪女相撲力士でいいやん。

まあ幻の脚本やら構想30年とかの企画が良い事は少ないですね。
ホンマにおもろかったらすぐ映画化しますしね。
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