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悪い夏のパピコのレビュー・感想・評価

悪い夏(2025年製作の映画)
3.4
福祉課のケースワーカーが主人公。
明らかな不正受給者とケースワーカーから性加害を受けている受給者。
そしてそこに漬け込む半グレ。
悪の世界から抜け出せなくなった人間たちのバトルロワイヤル。

優しさから受給者に手を差し伸べる主人公と優しさに初めて触れる受給者。
ただその優しさは職務の域を超えてしまい、倫理的に間違っている。正しくない。
ただ救われる人がいるし、できる範囲の支援ではその家族は救われない。
ケースワーカーの葛藤がそこにあると思った。

今の日本社会では生活保護は不正受給のイメージがあり、生活保護=悪、恥、負けのような偏見が根強くある気がする。
いろんな事情があり、生活できない人たちが最低限度の生活を営むためのお金なのに。再起を誓うためのチャンスなのに。
誰にでも生活保護を受けないといけなくなる社会。
この作品を観て、その偏見が少しでも無くなることを願います。

映画としては役者の演技が統一感があり、全編通して苦しい。みんな肺まで酸素がいかない感じ。目がみんな死んでるよ。
だからこそ演出のチグハグさが気になってしまいました。演出過剰な気が。

最後の全員集合は個人的にはもっとわちゃわちゃして血だらけになるのかと期待してしまいました笑
一応ハッピーエンドでよかった。
あの子どもの傘は誰のでしょうね☂️

あとホームレスみんながみんな、生活保護や家を望んでるわけではないし、意図的に身なりを汚くするのも少し嫌。
みんなそれぞれの価値観、人生がある!
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