くりふ

ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!のくりふのレビュー・感想・評価

3.0
【クレイの機微】

Netflixで彼らの新作が見られるとは!『チキン・ラン』新作から続く流れだろうけど。ちょっと嬉しいお年玉。でもグルミッ…いやポチ袋の中身は、そう厚くもなかったなあ。

微妙なクレイ差による表情変化など相変わらず素晴らしく、クレイなのに心がとろける。そして土壇場の“手が掴んだもの流用アクション”も相変わらず小気味よく、つい眼を引かれる。

でも、だいぶ毒が薄まったよね。英国らしい?虐待ギリギャグを、クレイアニメのほんわか皮で包み笑わせちゃうのが、本作の旨さであったのに。

よく言えば、よりファミリー向けになった。実際、英国では国民的人気があるのでしょう。BBCで放映したらカナリ、視聴率も稼いだらしいし。

英国の使用人文化が背景にあるのがポイントで、犬は犬としてしか扱われない。その毒をもっと効かせた方が個人的にはオモロくなると思うが、世の流れでは、ペットは家族だからなあ…。

その分、今回は“使用人ロボ”がいい味を出していた。いわば使用人の反逆だよね。犯人ペンギンは、特に思い入れもなかったので、悪役は新しいのを出してほしかったけど。

今回は、BBC&ネフリと組んだのはよかったか。以前、ドリームワークスには色々注文されて、ニック・パーク監督は長編作りにウンザリしたらしいから。それでこの長編2作目まで、こんなに空いたのか?

それでもこのシリーズは、短編の方が締まっていてオモロイ!ってのは事実だと思うけどね。

使用人ロボが充電で変顔するのは、昔、業田良家のロボマンガで似たやつあったなあ…と思い出す。皆、似たようなこと考えるもんだよね。

<2025.1.6記>
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