このレビューはネタバレを含みます
“ 怒りはときとして作品を生み出す原動力にもなる ”
2025年一発目の劇場鑑賞映画にふさわしいお仕事コメディで、のん演じる新人作家・加代子と滝藤賢一演じる大物作家・東十条の本気の喧嘩のようで結果的に切磋琢磨する二人の関係性がなんだか羨ましくなってしまった。のんが他人になりすましたやりすぎなイタズラや手段を選ばない感じはクスッとしたし、彼女の生き生きとしたブチギレ演技が堪能できたのは何より嬉しい。作家として理想の立場になった加代子にも新たな悩みは生まれるし、満足することはなかった。藻掻き続けることで生まれるものと向き合う彼女の諦めない姿勢は忘れずにいたいと思う。
のんと橋本愛のあまちゃんコンビの共演シーンも微笑ましかったし、田中みな実のホステスはとてもお似合いで。だけど髙石あかりはちょい役すぎてちょっと勿体ない感は否めない。とはいえ、これからも “ 俳優のん ” を映画館でたくさん観たいと思える一作だったのは間違いない。