アイドル映画の一つの解法。
アイドル映画は表現することが限られる。それはアイドルをどうすれば可愛く、そして魅力的に取れるかが中心になるからだ。
本作はそんなアイドル要素を十二分に活かしながら、働きながら、戸惑いながら恋を始めていく女性を情緒豊かに描いている。
この働くと戸惑いがアイドルにとてもマッチしており、アイドル映画の良さを実感させるようになっている。この組み合わせのアイドル映画の流れが、海街diaryにつながるような気がするのは邪推だろう。
また、フェリーニを彷彿とさせるような要素が映画の高揚感の拍車をかけていて心地よい。
ただ、間違えてはいけないのは、本映画は薬師丸ひろ子と桃井かおりの二人のアイドル映画であって、他に目をくれてはいけない。間違っても相手役二人には。
そんなマジックがかかっている映画だ。