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五瓣の椿のmetalicheartのレビュー・感想・評価

五瓣の椿(1964年製作の映画)
4.5
原作も、原案の黒衣の花嫁も好き。
映像化作品いくつかあるけど、岩下志麻のこの作品が一番いい。

極妻のイメージだった岩下志麻が、若き日はお嬢様女優と知って見た作品。
この作品から清純派から脱皮したよう。

黒衣が恋人を殺されたヒロインに対して、本作は育ての父を死に至らしめた人間への復讐をするヒロイン。
その怒りは実の母へまず向かい、炎の中に消していく。
若くて美しい優しい娘が、女を武器に男たちを翻弄し殺害。
その中には自分の実の父もいるが、復讐の為なら父娘なんて関係ない。
またこの話は父親を探す話でもある。
凄まじい怒りの中でも、ヒロインは冷静で何度もピンチに陥りながらも、危機を乗り越えていく。

いわゆる殺人鬼ものなんだけど、法で裁けないなら自らの手で。
理由も育ててくれた父親への愛故。
殺害されるメンバーも、名優怪優だらけの欲に塗れたカオス状態。
だから、ヒロインを応援したくなる。

そして、志麻さんを追う加藤剛が一服の清涼感。

時代劇だけど内容はサスペンス。
犯人も分かっているけど、面白い。
そして、岩下志麻の美しさが堪能出来ます。
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